キックアスを見た。
ゲオに借りにいったらレンタルはツタヤ独占の作品で、しょうがないのでわざわざ電車でツタヤいって借りてきた。
単純に映画だけの比較でヒーローの滑稽さなら
ウォッチメンよりも実に見事に描かれてたように思う。
ウォッチメンはもともと格好いいとされてたものが実は無様で身勝手なものだ、と描いてる作品なのに映画でスタイリッシュにしちゃったせいで本懐を失ったところがあるけど、
キックアスはこのジャンルを愛してるからこそ当然思う突っ込みもまたこのジャンルの魅力なのだ、とおさめてるし、前提が軽い作品とミスリードしてるのもまたうまいね。実際に軽いんだけど、アクション、暴力の場面は徹底して容赦なく格好いい。
拷問のところはちゃんと恐ろしく見えるし、全体的にキャラも作風も軽い体裁をたもってるのにこういった暴力性、きちんと不愉快に見えるのは凄いと思う。作品自体はあれだったけど拷問によって主人公が落ちる
リクルートに近いものを感じた。
ヒロインがちょろすぎるのもまた古き良きアメコミを意識してるだろうし、セックスに没入してる感じがウォッチメンよりも短い場面なのにウォッチメンよりも人間味の表現に勝ってる。ヒロインのふるまいがヒーローに惚れてる自分に酔ってるところもあるしね。個人的にはヒロインよりもヒロインの親友の
Sophie Wuがかわいかった。
作中でもバットマンと言われてるパロヒーロー、レッドミストは明らかにロビンだしモービルの場面なんて
ダニーエルフマンのテーマ曲をうまくパロってて笑った。しかし金を出してるのは
DC Comicsじゃなくて
Marvelというのも洒落がきいてる。
日本の予告は主人公のKick Assを無視してChloe Moretz全面押しだったね。
ロリコン大国なのもあるけど、11歳の身で7箇月の訓練をえてアクションにのぞんで素晴らしい仕事をこなしてるし、実質彼女が主人公みたいなとこもあるからしょうがないか。
音楽もカット割や視覚効果など、これまでのアメコミ映画のおいしいところをうまく拾ってるよね。空撮は明らかにノーラン(ダークナイト)を意識してるしヒットガールのアクションはウォッチメンだし。
ビッグダディのアクション場面はどうしてカット切っちゃったんだろう。あれ1カットで流れるように見せても良かったと思うのだけど。それをやるとまんま
300になるから踏みとどまったのかな?あとそこで流れるBGMがまんま
28日後だったのはパロなのかたまたまなのか…。
本作を見て、アメリカなら本気だせば
Gunslinger Girlも実写にできそうだな、と思った。
現在続編が撮られてるようで、蛇足だろうから今のところ見る気が起きないけど、これは面白かった。ちょっと最初のほうがひっぱりすぎてだれたけど。もうちょっと段取りさくさく進んでくれたら良かった。