シドニアの騎士BD1でまずがっかりしたのは、OPは本編の映像の流用。
TV放映版は構わない。
しかし、BDで購入特典で変化あるかと思ったらノンクレがついてきただけだった。
5.1chでなくともTVのスピーカーでも充分に感じられる音響。
ビットレートとLoudness都合で出なかった音が、BDだと
LFEなど無意識に迫力と感じられる音がしっかり響いていた。素晴らしい。
反面、音楽の音質がしょぼくて悲しい。
曲ではなく音質。
折角5.1chの迫力を宣伝してるのに、効果音にくらべて音楽にチカラ(予算と手間)をかけていないのが、TVだと聞き流せても、6000円以上の金をだして改めてミックスされた音として聞き流せない。
つまり、監督なりプロデューサなりが音楽を軽んじている。
音楽が効果音に張り合えていない。
音楽の分野、打ち込みが悪いわけじゃない。
Portal2、
Crysis3、
GRADIUS V、
サムライチャンプルーを聞くといい。
曲の好き嫌いはあっても、いずれも作品を盛り上げ、かつ音楽だけを聞いても充分に盛り上がれる音質だ。
シドニアはまだサントラが発売されていないが、仕様上BDより劣るCDでどれだけ仕上げてくるか不安だ。
2話の重質量砲の曲なんかすんげえ格好いいのに、BDで聞くと…。
曲の使い方も雑だ。
本編の決めで流れる曲を、あっさり次回予告で流用したり、逆に次回予告の曲だと思ったら本編に流用されたり。
曲数は予算の都合もあるだろうからしょうがないけど、その中でどうするかが音楽演出の妙でもあるのに、監督とプロデューサの姿勢が嘆かわしい。
映画なんて基本的に1曲が少し速いか少し遅いかの編曲違いなのに飽きさせないように頑張っている。
BD2話のBパート。この場面、原作ではちゃんと乳首が見える。
BD1話では着替えている仄の乳首が見えるが、この場面は静止画かつ仄だけを見る場面ではないので乳首が見えても無意味だし、見えなくてもいいから着替えてる女を全員動かしてほしかった。3Dなんだから2Dよりも動いていないと不自然に見える。
背景のしょうもない静止画に乳首を見せて、原作で見せてある、かつ場面として注目するキャラ星白閑はブラを外すだけで乳首が見えないとはどういうつもりなのだ。
いや、今は乳首の話をしているのではない。
カメラが
WSから
BSになってる。
つまり絵が拡大されている。
しかし、カメラの画角にあわせた露光になっていないので色や線がぼやけてしまっている。
どういう手順で新カットをレンダリングしたのかわからないが、画角が変われば露光も変わる。
それとも、モブの肌色が変更されている点も含めて意図なのか?
BD特典がTV(無料配信)よりも劣って見える絵なんてあんまりだ。
新カットも、やたら女の尻を強調するだけで、もちろん尻以外にもあるし好みの問題でもあるけど、佐々木なんて明らかに無理くりな構図じゃないか?場面として必要な構図案とは思えない。
それよりもBD修正として、3Dなのに動かない紙芝居を全部、小さな動きで良いから追加したり、生体尿管カテーテルの場面は音楽(効果音)無しの声優だけトラックを用意するとか。
海外放送はたしか7月で、日本版と別編集せずにレーティングなどの問題もなくそうとした結果なのだろうが、だったら乳首を見せなくていいから、紙芝居を無くして、8話6分51秒の継衛が飛んで行く1カット内におさめられたのに省略された原作のペタンをBDで追加するとか、そういう方向にチカラを入れて欲しい。
追加したって尺は1秒ですむ。
9話の時間跳躍も、戦闘場面が4話の見せ場などを流用している。
回想でもないのに各話の見せ場を流用しちゃ駄目だろ。
OPにせよ流用にせよ、粗筋や回想の無駄尺が省かれ、これらはBDで修正されると思ってた。
しかも、TVとBDの本編尺は変わらない。つまり、TVで見られなかった短く些細だが原作ファンにとって大事な場面は、BDを買っても見られないことが
1巻を買って見てわかってしまった。
最初から100点を目指していない。
100点を目指した結果85点だったのではなく、85点を目指した85点で、100点を目指していないのだ。
勿論、1作品の予算と納期があるのだから、と現場は言うだろう。
それはその通りだが、(録画して)無料で繰り返し見られる作品に36000円をだすのだから、TV版の一喜一憂とはわけが違う。
COWBOY BEBOPは「売れないだろうが関わったスタッフ全員の代表作になるよう作る」と監督が言った裏話があるし、
キック・アスは監督
Matthew Vaughnが製作と揉めて「作品のためなら幾らか自腹してもいい」と発言してるメイキング映像がある。もっとも彼は製作もかねているのだが。
10年後にも良かったと言える作品のためには、
100点を目指していない。
このアニメを凄い、面白い、と簡単に騒いでいる人の中で、どれだけが購入しただろうか?
売り上げは6000枚前後だった。
これだけ不満を書いても、水準は高い作品だと思うし、BDを買っている。
原作の場面の有無とは別に、音質や流用などアニメの駄目なところは既読も未読も問わない。
シドニアより前の
弐瓶勉作品を読んできて10年以上の時間があり、36000円をかけてBDを揃え(たい)、かつ1年に1回は見て10年後にも見ていられる名作を求めてる身からすると、水準は高いのに100点を目指していない姿勢が、悲しい。
アニメ化だけを喜んだところで、原作はもともと面白く買って読んでいるのだから無意味だ。
視聴者に手抜きを手抜きと思わせない、気づかせない努力もまた、そのために「打ち合わせ」て考えて実行するのが「演出」だろう。
もしも自分があげた不満を何の問題と思わずに作品を面白いと思っていたら、
BD(DVD)を買ってくれ!繰り返すが、何より悲しいのが、無料のTV版と有料のBD版に、品質としての差があまり無いことだ。音質は段違いだし、オーディオコメンタリもあるが、この商品でしか聞けないありがたい話でもなかったし、何かの事情でTV版ではそうせざるをえなかった点をBDで追加修正してくれると期待していたのだけれど、買うからこそ、買い続けるからこそ、
星白の乳首が無いのが悲しい。
マジレスすると、原作はもっと萌え媚び描写を減らしても良いと思っている。
そうすると、これまで通り売れないけどね!