2話Aパートを見て拳を握り声をあげてしまった。そして作ってくれてありがとう、と感謝してすぐにBDを予約した。
1話の時点では、原作を既知で面白い作品だと知っているのに、これアニメ初見に面白いと思ってもらえるのだろうか?と疑問だった。
キャラの画質が3Dの良さより悪さを感じたし、キャッチィな展開をアニメ1話向きに構成も練り直してるがそれでも原作の雰囲気そのままにどこか突き放した仕上がりだし。
このキャラが出たから、何巻から面白い、という作品ではない。段階を踏んで面白くなる作品。
密室の扉をあけたら素晴らしき眺望が、ではなく1段1段は浅く踏み上がっていくと気づいたらすげえ高い場所にいてすげえ景色が見える、というタイプの作品。
1話の段階で、少なくともPV詐欺じゃないのはわかったので、
売れないのわかってるのに、よくぞここまで仕上げてくれたありがとう。
原作からアニメで構成の変更
構成はアニメで大きく変えてきた。
漫画を知らないと問題ないものもあるし、漫画を知っていても問題ないのもあるし、漫画を知ってると違和感がある、アニメのほうが良いじゃんというのもある。
原作を知っていて違和感があるのは長道のいじめ。原作では出撃前に単純に互いに初見故の異物排除としていじめられていて、出撃して奇居子との戦闘経験により周りに受け入れられるが、アニメでは奇居子戦闘後にいじめられ、しかも恐らくその帳尻あわせのためか原作には無かった機密(奇居子との戦闘を)扱いで
赤井達の扱いが2話の時点であの程度、登場のしかた変更も間違ってるとは思わないが、ただ四天王はあまりにやすっぽくはなかろうか…w
原作だとユハタの登場は四天王後で、しかも登場時からデレていて酷いが、アニメでは四天王と同時に登場して、デレの理由を強引ながら補強していて良かった。
2話の段階で構成変更が素晴らしかったのは、山野栄子。
原作では一応山野が長道を嫌う理由が描かれるが、アニメほど出番もなくコマも少なくあっさり殺される。
前回までのあらすじが、ただの反復じゃなく、1話の映像をアバンで短く要約しながら、本編で山野栄子の事情を原作と同じく描きながら、原作には無かった短いながらも数カットの独白が追加されたことで初見にわかりやすく、かつ原作にかけた劇的演出の振りにもなっていた。アバンの編集具合も丁寧だと思ったし、尺稼ぎというマイナス要素が、これ見よがしの劇的演出ではなく、原作にある要素をそのままに原作にはない間と多少の場面追加によって原作厨の粗探す玄人とアニメ初見の素人をも巻き込めるだけの映像演出の両立を果たしていて感動した。
原作だと奇居子の山野模写はまんま人間的で、長道もゼロ距離戦闘で絵的にロボットが女を強姦してるような感じに意図的に演出されてた。
アニメでは倫理的な問題と奇居子の化物然をとって、長道が遠距離攻撃になったかわりに奇居子の声やカメラの動きやらすげえ迫力で、この山野奇居子演出は原作を超越していたと思う。
何より、重質量砲。
漫画では出来ないカメラのパンによる複数の動きを1カット1画面で流して見せる演出が素晴らしく、漫画だと作風が淡々としてるのもあり、コマ割による要約だったのが、奇居子に挑み返り討たれ星白と海苔など仲間に助けられ7機掌位で全員必死に逃げるのとすれ違い重質量砲が奇居子に命中。この1カットで拳を握り思わず「すげえ」と声が出た。
ヒックとドラゴン以来の戦闘、世界観の説明と関係の変化と物語の展開を集合させた無駄のない見せ場。作ってくれてありがとう。
生体尿管カテーテル
原作を知ってるとアニメ1話でやってないとおかしいので、これが無かった時点で原作機読者は冗談半分で「クソアニメ」と言っていたが、2話でしっかり回収してきて嬉しかった。本作自体が萌え媚びが酷いのだが、世界観の説明と補強の中にこういう萌えがあるのは良いと思う。
音楽
劇中曲は素晴らしい。サントラが特典じゃなく単体で発売(
TVアニメ 「シドニアの騎士」 オリジナルサウンドトラック)するので予約した。
曲調も狙いも違うが
ダークナイト的なメロがありながらメロというほど主張せずにリズムの最高音がメロっぽく聞こえる程度におさえた感じで、アニメを見ずに曲単体で聞いたら恐らく退屈だろうがアニメを見てると恐ろしく作品にそった素晴らしい仕上がり。
OP曲は酷い。原作を読んでた時点で、
ノイズィでメロがないインスト4つ打ちを想像してたので、曲調はともかく、音色のしょぼさと歌手の低音の声の出てなさ(音程ではなく歌としての声という意味)にがっかし。