谷川史子の『
ぼくらの気持ち』を読んだ。
谷川史子はデビュウ作から22年という藝歴が長い漫画家ながら、僕が知ったのは近年発売された
くらしのいずみと
草の上 星の下です。
上記の作品で、
柔らかく厳しい谷川史子作品に惚れ込み、現在過去作を収集中。
そして今日『
ぼくらの気持ち』をブックオフにて発見、105円でGET。
[ぼくらの気持ち]
- ぼくらの気持ち
- あなたのてのひらの
- 最初のクリスマス
- 告白物語――真夏の血痕編――
- 彼の時間、彼女の時間
- それゆけ告白物語
――以上の6話からなる短編集。
ただし、
告白物語の2話は作者のおまけ漫画なので、実質4話の短編です。
やっぱ
谷川史子良いわあ。
"男女間の友情は成立するか?"なんてことをよく聞くけど僕にはわからない。ただ、あの子とはともだちでなんかいたくない。
――から始まる表題作・
ぼくらの気持ち。
解る、解るぞ
顕太(主役の男の子)。
雛(主役の女の子)に告白して
「ともだちでいよう」と振られた
顕太。しかし、振られた後も、振られる前よりも更に
仲良くなる
二人。
そして友達から「あらためて口説くんだな」と煽られる
顕太。そして、それにこう返す
顕太――
…情けないけど、ふられる前より好きになってるから、また断られるこわいんだよ。
顕太おまえ(ノд`)
草の上 星の下を読んだ時にも書いたけど、少女漫画故に、葛藤する女性(主役)に対して、男性は1歩先を行っている、精神的に。しかし、その男性達が、御都合主義の万能キャラではなく、主人公(女性)よりも1歩先を行っているのは、女性への想いや覚悟がある故なのだ、と男女偏りなく丁寧に自然に描かれています。
主人公である女性陣の愛らしさに加え、男の僕からみても格好いい男性達。そして今回も正直なところ
顕太を筆頭に、僕はどちらかと云うと男性に胸を打たれましたw
他にも、幼馴染というありがちな関係を――自分(女の子)も御約束ながら幼馴染の彼をだけど、彼は私ではなく――という少しひねりつつ、幼馴染らしい恋愛を描いている
あなたのてのひらの。遠距離恋愛のもどかしさを描いた
彼の時間、彼女の時間などなど、素晴らしい
谷川史子節が楽しめます。
何故か僕の周りの女性で
谷川史子作品の既読者がおらず、
グッと、キュンと、ブワッとくる
谷川史子を語りあえずにえらく寂しい男26歳w
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