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『群像劇』と言える根拠と『長編(大河)作品』との差異、考察。 このエントリーをはてなブックマークに追加

蒼天航路 (36) (モーニングKC (1494)) (コミック) 王欣太 李学仁僕が推奨した海皇紀にはまり、大河作品に目覚めた弟が今蒼天航路を読んでいます。完結したのは知っていたのですが、僕は未読で評判だけを聞くのみ。弟曰く「評判に偽りなし!」だそうで弟が読み終わったら読ませてもらおうと思います。ところで、その蒼天航路について話していた時に弟が「自分は群像劇という分野(ジャンル)が好きなのかもしれない」言いました。
そしてひとつの問いを発したのです。

群像劇とは何を以て群像劇と言えるのか。

余りに根本的な問いで厨二病的ですが、弟と3時間に渡り真面目に考え語り合ったので、その考察を頑張ってまとめて記してみます。
群像劇とはその言葉通り、一人(個人)を主役と限定せず、複数の人物に焦点をあて、それぞれの関係、共通と乖離を問わず描く表現。

抽象的ですが、上記の認識で異論は無いものとして進めます。
そこで、先ほどの問い群像劇とは何を以て群像劇と言えるのか。にぶつかるのです。というのも、作品が長編であれば登場人物は自然と増える。つまり、長編(大河)作品=群像劇と言えるのではないか。
僕はこの問いに即答できなかった。
自分の認識を整理するために、僕が群像劇と認識している作品を挙げます。
7SEEDS犬狼伝説ザ・ホワイトハウス
(THE WEST WING)
 7SEEDS 13 (13) (フラワーコミックス) (コミック) 田村由美犬狼伝説―Kerberos panzer cop (完結篇) (コミック) 藤原カムイ 押井守ザ・ホワイトハウス(THE WEST WING) ファースト・シーズン コレクターズ ボックス
えらく独断と偏見で選ばれたラインナップですが気にせず話を進めますw梗概はWikipediaを参照して頂いて、これら3作品は、
  • 目覚めたら見知らぬ場所にいた複数の男女
  • 首都警・特機隊に属する隊員達
  • ホワイトハウス東棟(the west wing)で働く職員
という特定の場所や集団(組織)個性よりも属性を主題にした作品です。
無論、登場人物が無個性と言うのではありません。あくまで比重としてです。
そして、弟が長編(大河)作品=群像劇として挙げたのが以下です。
ドラゴンボールエアマスター蒼天航路
ドラゴンボール―完全版 (34) (ジャンプ・コミックス) (コミック) 鳥山明 エアマスター 28 (28) (ジェッツコミックス) (コミック) 柴田ヨクサル 蒼天航路 (36) (モーニングKC (1494)) (コミック) 王欣太 李学仁
なるほど。確かにドラゴンボールは老若男女が主人公である孫悟空以外にもピッコロやフリーザやセルと云った敵、またはヤジロベーと云った脇役など、多くのキャラクタを認識し、評価しています。
エアマスター蒼天航路も同様に、主人公が個人ではっきりと確立された作品でありながら、多くの登場人物を認識し評価されています。
それは他にも、うしおととら新暗行御史などの長編(大河)作品でも同様です。
しかし、僕はあえて。これら作品は群像劇ではない、と断じます。
というのも、僕が先に挙げた3作品に較べ、後者の3作品は、あくまで作品の主軸が主人公にあり、魅力ある脇役とは認められても、主役脇役の構図がはっきりとしていて、作品内で登場人物の重要性が読者にとって明らかで、はっきりと誰が主人公と言い切れるからです。
僕が認識する群像劇は結果的にですが、場所や集団(属性)が主軸なのです。

 フルーツバスケット 23 (23) (花とゆめCOMICS) (コミック) 高屋奈月花ゆめを代表する作品、フルーツバスケット干支をキーワードにした作品だけあって、12人のキャラクタが描かれており、属性を主軸とした作品だと言えますから、群像劇だと言って良いのかもしれません。しかし、もとから干支とは無関係である主人公の本田透、そして、12人と同系統、しかし属せぬ草摩夾など、属さぬからこそ際立つ個性、そして属性。
フルーツバスケットは結局一部のキャラが本筋に絡まないなど属する者より属さぬ者へ展開がシフトした結果、多くのキャラクタが居るにも関わらず、そして群像劇となる条件属性が主軸であった作品ながら、結果は群像劇とは言えない作品となりました。
作品として詰まらない、というのではなく、あくまでカテゴリの話ですし、もともと干支の全員が主人公、みたいな売り方はされていませんでしたがA^^;
それにしても利津を思うと泣けてくるw
干支といえば個人的にはアルナムの牙についても語りたいのですが、脇道に大きくそれるので今回は我慢します。

僕自身、準ヒロイン萌えですし、脇役好きです。しかし、それはあくまで主人公(主軸)からの対比から楽しむ観点であり、それをはっきりと認識できる作品はたとえ登場人物が多く、また魅力的でも群像劇ではないのです。
少なくとも、僕にとっては。
無論、カテゴリに属するから良い、属さぬから悪い、という話ではありません。
ツンデレが敷衍されながらも確立された属性として広まった昨今、抽象し属せばただちにツンデレと言われます。それが良いか悪いかはともかく、属性が個性をぼやかし、属性で語られても個性に触れられずに展開される作品、キャラクタもあります。
それを考えると、抽象し認識する属性(萌え)自体の認識も、もう少し真面目に考えなければいけないな、だなんて考えたわけでもないのですが、弟と盛り上がってしまったので書いてみました。
でも、自明ですよねorz

関連リンク
グランドホテル方式
wikipedia 蒼天航路
wikipedia 海皇紀
wikipedia 田村由美
wikipedia 犬狼伝説

Tags : 群像劇 蒼天航路 7SEEDS 犬狼伝説 ザ・ホワイトハウス ドラゴンボール エアマスター フルーツバスケット

書籍 [ 2008/08/26 17:50 ]