またどこかで会おう。え？終わり？

ラプンツェルの境遇をわからせるために冒頭から5分ひたすら説明だったのがつらかったが、本編はじまったとたんラプンツェルのかわいさったらなかった。
いきなり歌いだすミュージカル乗りは相変わらず違和感があるけど、ラプンツェルとカメレオンの動き、洗濯したり日常の仕事をこなす中でたまにうまくいかないところで顔をしかめため息をつく、そして髪が少しなびく…この一連の行動は実にアメリカ的でよく見るがアニメで肩の動きもあわせて小さく「むっ」としてるのはやっぱ凄くいい表情、芝居だった。
基本的に全身を動かすにぎやかな芝居が多いが、静かに眉尻をさげて嘆息とか、とにかく静動を問わず動き,芝居に関するディズニーパネェ。
国王と王妃はいっさいセリフが無いのに凄くいい芝居してた。
特に今年もラプンツェルの無事を願うイベント前に国王の頬に手をそえる王妃、その互いの沈黙と憂う表情…。
そして無事をしらせにきた兵士が息があがってるのか確信を抱いたうなずきなのかどうとも言えない驚嘆と感動の表情、流石ディズニーと言わざるをえない。
とにかく退屈させない1カット1カットを無駄にしない姿勢は素晴らしい。

1番萌えた敵である白馬を説得するために顔を覗き込むラプンツェル。
この馬の動きも馬の関節の構造上ありえない動きも自然に誇張して凄くやわらかくいちいち笑える。
しかし馬よ、「これだけ頑張ってるのに誰も認めてくれないのよね…わかってるわ」とかほだされてるがん主である騎士団長は凄く大事にしてたじゃねえかw
ラプンツェルの行動はいちいちかわいらしくあの髪をうまいことギミックにありえん突飛な行動が実に愛らしく積極的で魅力的だが…塔を出たあとに魔女と再会したとこ…もしかして彼は私を好きかも(he like me)ってそりゃないわwww
そこは初めて魔女以外と接した人間が自分の境遇を打破してくれたイケメンで浮かれて「なにこの胸のドキドキ///」って自覚するとこだろwwwどんだけ自惚れてんだよwww

それにしても日本の萌え絵もそうとうだけどディズニーの目もそうとうでかいよね。
あっちは目より口が記号として重要と言われるけど、そうとうでけえよな。
ただ目というよりも眉の動きが大きいかな。

ところで気になったのはイケメンと組んでた双子、魔女と組んだあとにラプンツェルをだます芝居してたけど、その後に捕まってたという事はあの気絶は芝居じゃなくて魔女が双子をKOしたってことだよね？
ありえんだろ。

魔女は果たして悪人だったのか？

ディズニーおやくそくの勧善懲悪も最近は少し崩れてる気がする。
ピクサーのトイ・ストーリー3のラスボスも悪に染まるだけの理由があったし、そもそも支配は手段の1つであり悪とは限らない、それを何とか主人公を立てるために悪にして、それでいて我々観客に敵の悲しい境遇を見せた上で主人公はそんなの丸無視でやっつけて「俺たち最高！」とか色色と考えて作られたがゆえの矛盾というか破綻というかそういうのが目立ってる気がする。
悪を描くのに悪意が無いなんて前提は成り立たないだろうディズニーよ。
ラプンツェルがあれだけ周囲の悪意を教えられながら活発で奇麗で生きていけたのは魔女のおかげだ。
魔女にはもちろんラプンツェルの不老にこそ執着してたわけだが、ラプンツェルの健やかな成長が魔女の行動を賛辞してる。
それなのにラプンツェルの手のひらがえはないわー。
魔女の論理は魔女が悪であることで証明されてるし、そしてそれでも善意が継続することもラプンツェルで証明されてる。
それなのに強引な記憶の復活とともに感謝と葛藤もなくただいきなり魔女と対立とかないわー。
それに何が「私は約束は守るわ」だよ「私、嘘なんかついたことがないもの」なんて羽川翼フラグかよ。
塔の出入りあれラプンツェルのラブデラックスが無かったらなりたたねえだろwwwとか思ってたらちゃんと裏口あったのか…w
あの裏口すっかり蔦に覆われて石にも苔がはえて10年は使ってない感じだった。
つまり魔女はいつだって塔の出入りにラプンツェルのラブデラックスを利用してたわけだ。
イケメンが言ったとおりラプンツェル年頃の反抗としてなら可愛いけど、やはり悪として敵対したのは間違ってるよなあ…。

イケメンのラスト

泥棒やめちゃ駄目だろ。
最後に国王と王妃とラプンツェルが3人で抱き合ってるのを後ろで静かに見守って、3人が再会に夢中な間にテラスから飛び降りてさっていく…こういうのがイケメンの仕事だろが。
そして平和に過ごしてたある夜、静かな風がそよぎ窓を閉め忘れたかしらと窓辺を見ると月明かりに照らされ逆光の人影が…
っていうのがロマンチックだと思うんですがどうよディズニーさん。
あと子供むけなのにキスはちゃんと首をかしげて互いの唇をはさむような感じでちゃんとするんだな。