シャーロックホームズ,シャドウゲーム(
Sherlock Holmes: Game of Shadows)を見てきた。
前作は古い舞台設定で室内はよくできたセットなのに屋外に出たとたん合成丸出しでげんなりしたけど、今回はロケが多かったのか屋外がちゃんと奇麗な背景だった。
頭から爆発や空撮も多くて、1が受けてちゃんと予算とれてしかもそれを無駄にしないThe 2作目って感じだった。電車のとこは最高だった。
にしても空撮のはさみかたとか必要なら時間も国も飛びまくる構成が凄く
ダークナイトっぽかった。チェスで人間の本性を説くとこも
取調室を連想した。音楽が
Hans Zimmerってのもあるけどw
スタントも増えて格好いいアクションも多かったが相変わらず編集が落ち着かない。もう少し1カットを長くしてほしかった。そんなばかすか切り貼りする必要ないのに。
あと原作準拠なのか大人の事情なのかわからないがホームズの元カノ不二子の
Rachel McAdamsがそうそうに再起不能(リタイア)ってどういうことだよ。ホームズに強引に頬にキスされて嫌そうに顔を背けながら「しょうがないわね」って感じでちょっと笑ってるとこ最高だったのにあれじゃ3に出演できないじゃん!!
それとワトソン夫人
Kelly Reillyがそこそこの出番で実においしかった。前作では特に何も思わなかったが美人度があがってないか?
今回は脇役がいっきに増えたのに話の芯は1本であり、ネタを1つ見せては1つ消化する段取りも奇麗で見ていて気持ちが良かった…はずなのに過剰なVFXがそれを阻害していた。最後のチェスのとこなんてすげえしびれたのに妄想格闘で萎え萎え。あれだけ互いに読み合ってるアピールして敵のほうが上だと互いに認識したうえでホームズのあれを何故読めないw
チェスが互いの本性を示す記号なんだからその後に妄想VFXを入れなくてもいいんだよ。
悪いとこは前作からあったものがそのまま引き継がれた感じだが、良いところは続編らしい広がりで良かった。
とにかく舞台背景が変わる変わる。室内屋外とこれぞ冒険と言わんばかりに状況変化をわかりやすくしっかりと描いてる。人間関係も今回でよりホモくさいとか言われてるホームズだが全然そんなふうには感じなかった。たしかにワトソンへの執着は同性愛に近い印象はあるしワトソンの心肺蘇生んとこはうげえとか思ったけども、日常と異常の境界線を意識して不本意ながら引かざるをえない自覚や、それでいて自分の行動に逡巡なく幾らでも突っ走る2面性が見ていてニヤニヤできた。
ホームズがワトソンに出された料理を残すなってとこあれ
インディジョーンズ魔宮の伝説を意識したのかな?というか連想したんだけど、自分達とは違う民族の料理がゲテモノだからと残すのは民族の事情を考えない傲慢さみたいな。
音楽は実にHans Zimmerだった。チェロとコンバスとトロンボーンとチューバでごりごり攻めてた。格闘場面でアイリッシュっぽい薄いオケだったのも格好良かった。
ところで先日ベルセルクを見たヒューマントラストシネマ渋谷も今回の渋谷東急もだけど、最近の映画館は客をなめてんのか?映画館の利点ってのは今時40型のTVが自宅にあって大画面に困らない環境がありながらもそれに等しい大音量がならせない音響だろうに何故画面の両脇ステレオだけなんだ。厳密には後ろに2つ合計4つ(5.1?)だったけど一部の効果音だけをならすだけで全て正面から聞けるだけ、しかもただ大きい音が遠くでなってるだけで全然響かずこれじゃ何のために映画館にいったのかわからない。
どれだけ見たい映画があってもこの2箇所はもう絶対に行かないと決めた。
今年の夏やるThe Dark Knight Risesはどこだろうか?
バックトゥザフューチャーの軽さとダークナイトの構成をあわせた感じで、笑えて格好いい、時に現代的な過剰演出でげんなりしつつも面白い映画だった。洋画のシリーズ定例にならっておそらく次回が最後だろうけど、素直に楽しみだ。VFXもっと減らしてくれないかな。