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沖浦啓之と観る「人狼 JIN-ROH」に行ってきた このエントリーをはてなブックマークに追加

昨夜池袋の新文芸座でおこなわれた沖浦啓之と観る「人狼 JIN-ROH」にいってきた。

沖浦啓之と観る「人狼 JIN-ROH」に行ってきた

内容は2部構成で、まず人狼が上映されて、次に沖浦啓之の対談形式のトークショウだった。
266席に対して半分くらい、100人程度と思ったよりも客が入っていた。男女比7:3くらいだった。
トークショウで今日が初見の人、という質問に対して約1/3が手をあげていて驚いた。しかしこれはむしろ喜ばしいことだろう。10年以上前の作品で今でも少数ながら新しく金をだしてまで見ようと思う客がいるのは。
入場の際、1500円で販売するはずのチケットがぴあの価格設定1700円で売ってしまったために200円を返金していた。

まず上映された人狼 JIN-ROHだが絵コンテつきの人狼 JIN-ROH DTS Editionに先日発売された人狼 JIN-ROH 【廉価版】 [Blu-ray]も購入してる身からすれば、今更語ることはない。素晴らしい作品だ。
しかし上映された映像は、デジタルリマスタされてない当時のフィルムなのか映写機に問題があったのかわからないが頻繁にゴミか何かの黒いノイズが走ってた。
もう何度も見てる作品だし、トークショウに金を払った感覚だったから個人的にはいいとして、初見の客が思ったよりもいたことを考えると残念だ。
あと今更だが資料提供に今はなきHUDSON INDUSTRYもあったのね。ジェリコ941今でも大事にしてるよ。

トークショウ

さてトークショウだが、全体的に沖浦啓之のテンションが低かった。もともと押井守や神山健治のように語りたがるタチではないとはいえ、進行の小黒祐一郎の発言に対してほとんど「そうですね」と相づちをうつばかり。互いに沈黙する微妙な間も多かった。
もちろん古い作品だし今更思うところはないのかもしれないが【人狼 JIN-ROH】セル画展トークイベント「沖浦啓之と西尾鉄也」よりも曖昧な発言ばかりだった。
今回は沖浦啓之と観るという題名だったのに、恐らく上映されてた間、沖浦啓之は見てなかったのでは?映像を見たあとならセル画展よりも詳細な話が聞けるかな、と期待してたのに残念。
トークショウの内容は【人狼 JIN-ROH】セル画展トークイベント「沖浦啓之と西尾鉄也」と重複する点もあるので、かぶってなかった事だけを以下にまとめる。
  • 手書き作業ばかりだが電車の動きはガイナックス庵野が「3Dでやればいいのに」と言ったことから3Dでガイドを作ってそこから書いた
  • デジタルを使わずにアナログだけで仕上げた作品はおもひでぽろぽろが最高。小黒「廃道のとこなんて凄いですよね」沖浦「え?ありましたっけ?」と話が食い違う。
  • 最後の塔部が煙草をすう場面は、当時トレスをやったことがないのに凄くうまかった通称「トレス王子」に頼んだ。通常トレス作業にスタッフを指名しない。
  • 人狼の作業でしてやったりなことを聞かれ、自分の作業というより仕上がってきたものを見て「わかってるな西尾(鉄也)!」と嬉しかった。「最近はギャグアニメ作家みたいだけど」と笑いを誘った。
  • 銃器には興味なくてミリタリズムは西尾まかせだった
  • 犬狼伝説のような組織を描くと映画の尺ではおさまらないので男女関係に限った
  • 押井守の脚本ではほとんどなかったケイ(雨宮圭)の場面や台詞は沖浦が後から足した。人狼マニアックスに押井守が書いた版が掲載されてるが読んだ客がいるか、内容はどうだったか、と聞いたところ2人の既読者がいたが2人とも内容はおぼえていなかった
  • 自爆ちゃん(阿川七生)から査問までは押井守の脚本まんまでケイ(雨宮圭)が出てきてからはだいぶ違う(沖浦が変更した)
  • ももへの手紙を作る前からギャグアニメが作りたいと発言していた
  • SFなどに興味がなく児童文学などを読んだり見てた子供だった
  • 魔女っ娘つくねちゃんというギャグアニメで作品の絵柄とは異なる沖浦啓之が描いたリアル系な映像が流れる作画ギャグが披露されるが、これは「人狼みたいに」という注文だった。馬鹿らしく面白いので引き受けた。
  • 銃器など派手なように見えて実は動きが静かな人狼よりも、日常風景でありながら細かく動くももへの手紙のほうが作業は大変だった。スタッフが人狼なんかよりもももへの手紙のほうが大変だった、と言ってた。

質問コーナ

映画館のスタッフが時間がおしてる、と泣きついてとこが客の笑いを誘い、少しでもと挙手により客からの質問を受け付けた。全部で4人。
  1. Q.沖浦の叔父は60年代に社会運動に参加してたらしいが作品にその影響はあるのか? A.まったくない(即答で笑いを誘う)。(銃器の描写をほめられ)西尾がいましたから。(プロテクトギアの作業は井上俊之におしつけた、とも)
  2. Q.一般に知られてる赤頭巾と話が違うが何を参考にしたのか? A.赤頭巾のくだりは押井守のをそのまま採用したのでわからない。自分では調べてない。恐らく押井守の思想が反映された形だろう。
  3. Q.次回作の構想はあるか? A.まったくない(これも即答で笑いを誘う)
  4. Q.人狼とももへの手紙が封切り決まるまでのそれぞれの心境の変化は? A.人狼は当時フランス上映が決まってるだけで日本では未定だった。そこへバンダイビジュアルでくすぶってたアウトローな変わり者のスタッフが人狼を気にいってくれて、メディア・ボックスに売り込んでくれた。配給など人狼の上映は実質そのバンダイビジュアルとメディアボックスのスタッフと自分(沖浦啓之)の3人だけだった。上映が決まるまではもんもんとしてた。ももへの手紙は出資社が多数あり上映時期も決まっており落ち着いていられる反面、これでこけたら自分のせいかな…というプレッシャに悩まされる。2時間という子供が見るにはつらい尺だが5歳の子供が見て楽しんでる様を見て安心した。作品完成と別の喜び、アニメをやってて良かったと思った(5歳をつれた親に対しては尺が長いし懐古な要素もあり「おいおい危険だな!」と思った。そこまで幼い子供は想定外の作品だった)。

最後に沖浦啓之から

今日の客を見ると最近見たと思われる若い人から、当時から見続けるように見受けられる人まで(小黒が「若い女性もいますよ」に対して沖浦が「え?いますかね?」と見渡すも反応がいまいちで「作風からして男性客しか目に入らないんですが」とごまかしてた)。
人狼は趣味が近い人たちが集まって共有するような作品だが、ももへの手紙はもう少し幅広い普遍的な感じのもの。だけど見る人が見れば「やっぱ沖浦らしい」と思えるものらしい(沖浦がスタッフから言われた)。
人狼とくらべると雰囲気は違い、人にはそれぞれ趣味嗜好があるので無理強いはしませんので。

ジャンケン

サイン入りのポスター2枚と色紙3枚をかけてジャンケン大会。
小黒から「沖浦さんはジャンケンはやらないタイプですか?」と妙な質問をされて沖浦「なんですかそのやらないタイプってw じゃあやらないタイプで」と返答したところ折角なのでとジャンケンをやらされてた。色紙は1枚ハズレがあると言って笑わせた。

感想

文章にするとなかなかよかったイベントのような印象かもしれないが、実際には「よくおぼえていない」「そうだったかも」など曖昧かつ他人事のような感じで答えていた。また客も信者ばかりでなく初見も多かったためか反応が薄く「ここは○○するとこだよ!」と小黒があおっていた。
沖浦と小黒の2人に精神的な距離があるように感じた。とにかく沖浦のテンションが低いと思った。

昨年10月の【人狼 JIN-ROH】セル画展トークイベント「沖浦啓之と西尾鉄也」はイベント自体が無料な上に、客席が抽選だったのにこぼれた人むけに液晶ディスプレイで会場の外からも見られるようにして、司会の人がアニメ全体にも人狼にも愛があり冗談もさえて進行もうまく、沖浦も西尾がいるせいか口調などは変わらないのに突っ込みや小話などあり会場は笑いが絶えず内容も素晴らしく、イベントが終わり会場の扉が開かれたときには会場外で液晶画面で見てた客たちの拍手が聞こえるという、神イベントだっただけに、今回は人狼の内容にも希薄でももへの手紙の宣伝もちょっと映像を流しただけで裏話も語られず(上映前だからしょうがないが)、こうして記事にしたものの不満がつのる内容だった。

挙手していた1/3の初見客が楽しめて、ノイズの無いDVDやBDを買うなり借りるなりして見て、あるいはももへの手紙を見に行ってくれればいいのだが…。

未分類 [ 2012/04/18 14:26 ]