DARKER THAN BLACK-黒の契約者-
を見てがっかり。
電脳コイル
が子供のふりした大人で、
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は大人のふりした子供。見ながらそんなこと考えたけど同年の作品だったのね。
バットマンを彷彿とさせるグラップリング描写は格好いい。全体的に手抜きがなくしっかりアニメしてる。そういう点で水準はとても高い。
しかし
対峙→対戦→決着の流れをしっかりと見せない演出が多すぎる。対戦の途中で場面が切り替わり、戻ってきたら事後だった、という話ばかりで、地味だから人気が得られないのではなく、単純にさじ加減がとれてないだけだと思った。
そのくせ指折り拷問はしっかりと描写する「この作品はひと味違うぜ」と主張してるわりに見せ場を作れずに自爆してる。
2クール使ってしっかりと作ってるわりに水樹奈々との関係もうまく回収できてないし、そもそも現状に問題があるからおこった戦いの中で主人公が見出した結論が「現状維持」って日和見もいいとこだろ。
レンタルで見たのだが、同時に
星界の紋章
も見てたのだが、これこそ主人公がしっかりと大人、子供としての限界がありながら現実の対処がしっかりとした大人。
契約者が合理的、とやたら作品で強調してるわりに、その合理があまりに稚拙。そもそも合理とは目的への最短最速最適解であって、その都度変化するのは当然だが、結局は取捨選択にすぎず、それぞれの立場で異なる手段を異なる立場から見て「契約者のくせに合理的でない」とか無理くりすぎる。しかもその例外があまりに多い。
昔のスタートレックを見てるかのようだった。感情的でなく論理的、というわりに倫理を捨てきれてない幼稚さ。あれは時代とか作品の乗りとかそういうのも含んでなりたってるから笑えるのだけど。
最初は良かったのにマオなんて後半はただのジブリだし、ホァンの過去話も喋りすぎの最後尺が足りずにとびとび落ちだし。
格好つけてるわりにインなんてこびこびなキャラがいるわ、大人だハードボイルドだ言いながら最後は仲間って素晴らしい!なんて青春してるし、とにかく自分が目にして興味をもった評価とは実に乖離した若く幼く青い作品だった。
ミスティック・リバー
を期待したら
グーニーズ
、ブラックコーヒーだと思ったらキャラメルマキアートだった…最初からそのつもりなら1くちめで吹き出さず落胆しなかったろうけど、自分が求めた暗さや悲しさは無かった。
いや、マオの最後だけはグっときたけどね。ああいうあっさりしたものは良いと思った。
きっと自分が10代半ばであまり触れない作風のなかでこれを見たら感動したんだろうけど、これを見るには歳をとりすぎ、他作品を見すぎたということか。