旧来のハードボイルドは酒と煙草を礼賛してきた。
そもそもハードボイルドとは感傷を許さない。もっと言えば、観客の同情すら許さずつきはなした姿勢なのだ。しかし、商売として観客に好かれるため、確信の無い男のために酒と煙草があり、そして、それはまんまと受けた。そもそもが本末転倒なのだ。
わざわざ健康を崩してまでやる俺かっけえ、という時代もあったろう。いかにも古い池沼だが、そんなものよりも難しい、健康を維持し、娯楽を捨て、宗教のような同情も許さず、人生をかけている、という姿勢(キャラクタ)こそがハードボイルドであり、いい加減、視覚効果の記号に甘んじたものをハードボイルドと評価するのをやめないか?
ハードボイルドを見たいと思っても、格好をつけてるだけの半熟ばかりで、全く完熟が見つからないので、書いた。
前述の通り、そこまでやってしまうと、売れないから作れないのだろうけどね。