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【未確認で進行形】素晴らしい物語の要素をスタッフが1つ1つ無視して作品を自殺においこんだ最終回 このエントリーをはてなブックマークに追加

白夜が小紅の腕を掴む場面。
掴む瞬間がなくて、腕をのばしきって手が見えない構図で、多分動画を省いた大人の事情なんだろうけど、酷い。小紅の手が画面から見えなくなる瞬間に白夜の腕が伸びきり、小紅の手首あたりを掴んでカメラは少し遅れてそれをパン。動きの差、時間を感じる演出、これは基本でありこれをやらないならこの構図、場面に意味はないのに、この場面をやらせるために物語性や段取りなんぞ無視して小紅に放浪させて、無意味に崖際に後ずさりさせて、そして作画はしっかりしてるけど、その状況を成り立たせる物語も段取りもないから何の驚きも感動もない落下する小紅を助ける場面。
人格的にも身体能力的にも完成されているように見える白夜が、最終回で小紅を助けきったことで、ようやく過去との違い、表向きな態度とは違う成長を示す、という素晴らしい構成の最終回なのだが、その文字通り白夜の傷となっている顔の傷を、結局見せない。
かつての過ちと同じ過ちのようでいて、過去があるからこそ今度は違う、というのを、小紅を助けるために白夜が走って髪が乱れている一瞬だけ傷が露出して同じだけど違う、という視覚的な演出をすべきなのに、しない。
あるいは、小紅の腕を掴んだ瞬間、小紅が見上げると、小紅を掴んだ反動で少し髪がなびいて、白夜の傷と、それによって見えない右目が小紅と視聴者にむけて露出する。
これだけで5億点だったのに、最終回を盛り上げる人間関係の動機、物語を無視して見せたい場面の切り貼りで処理ってる酷い終わり方だ。

10話で嫌な予感はしていた。
それまで、小さな不満はあれど、作品全体としては雰囲気も演出も狙い通りで、作品そのものは仕上がっていた印象だったが、これが台無しにした。
作品にとって1番大事な、常時デレのようでいて核心を許さなかった小紅のデレ回だったのに、作品の個性も、作品を問わず共通する物語性も無視して処理されるシャフト演出。
小紅と白夜の2人だけの空間を視聴者が垣間みてる、という場面も、小紅が白夜を無視して視聴者に媚びて見せる過剰赤面と正面構図。ヒロインを売女にした10話の演出。

ところどころ音楽を使わずに情緒面を盛り上げる演出が良かったけど、それを台無しにする気持ち悪い挿入歌とか、これは好みもあるから何とも言えないけど。
とにかく、過去の傷という悲しみに支えられた現代の些細な喜び、という設定でありながら、その過去の傷は説明しても物語の基盤とはならず、演出としても無視して、だけど悲しみを超えた感動的な場面を視覚的にだけやろうとして破綻している。
ロリ小姑とか姉とかはともかく、そういうとこで釣っても小紅のキャラ的に、もっと萌えに媚びずにちゃんとドラマだけをやることで自然と萌えられて、かつちょっとした萌えもまた物語を補強していく要素に出来たのに、それをせずに、ちゃんとしてるようで全部を処理ってきた、これも現代のよくある売女アニメだった。残念。



感想(考察) [ 2014/03/31 23:57 ]