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寂然と身悶えの最新刊『付喪堂骨董店4』 このエントリーをはてなブックマークに追加

付喪堂骨董店 4―“不思議”取り扱います (4) (電撃文庫 お 9-7) (文庫) 御堂彰彦待ちに待った付喪堂骨董店の最新刊。相変わらずタケシマサトシ氏のイラストは丁寧綺麗で素晴らしい。咲かわいいよ咲。そして、それに負けじと刻也かわいいよ刻也w
以下にざっと梗概と感想と語録を。

1.『影』--劣等感などから人知れず穏やかに過ごしたい、ってのは誰もが1度は考えることだと思う。
実際には社会や家族や友人などからは逃げられないし、離れたくない。
しかし、それが叶ってしまったたらどうなるか…。
『影が薄い』が比喩ではなく実際に起こったら、と云う骨子はありきたりながら、刻也と咲の軽いラヴコメやりとりに、ゲストキャラの葛藤の末の落ち。
仄かな明暗が描かれる付喪堂骨董店らしさが出ている話。

2.『ギャンブル』--すったもんだで女が景品となり、それを守る(奪う)ために戦う男達、とえらくマッチョな話だけれど、刻也と咲のもどかしい二人がいるだけで頬がゆるんでしまう。
付喪堂骨董店は刻也と咲に「ああ、もう!」なんて悶えてしまうラヴコメなんだな、と再認識させられる話(笑)。

3.『小指』--ツインテールの幼馴染と、本作にしては如何にもラノベ的キャラが出てきて面食らった。
しかし、性格や落ちは一筋縄ではいかないのが付喪堂骨董店
ラヴコメ臭を前面に出す割に刻也と咲はおとなしめ。
本作(作者)は本筋とキャラの出し入れが実に巧いと思う。
本書では1番好きな落ち。

4.『秘密』--前話から軽く繋がる、1巻から続く『4話目は二人の話』本書の人気は、刻也と咲、男女の想いがどちらも等しく丁寧に描かれるからだと思う。男の視軸、女の視軸。そして、それが年頃らしいニヤニヤしてしまうもどかしさを淡々と描かれる。男性読者である僕が咲に感情移入し刻也を可愛いと思う(笑)、その軽妙。
各巻の4話だけ再読を繰り返してしまう身悶えラヴコメ(笑)。

いつにも増して挿絵の咲が愛らしい。現在本作は4巻きで絵の枚数もそれ程ではないから難しいだろうけど、イラストのタケシマサトシ氏の画集なんかも、本作の人気に乗って発売して欲しいと思う。
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「今夜は帰さない」
バイトが終わる午後八時。
オーナーの摂津都和子は買い付けに行っていて留守中。
店には俺──来栖刻也とアルバイトの舞野咲の二人きり。
その咲が帰ろうとする俺の袖を掴んで引き止め、上目遣いに呟いたその一言は──
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「あら、可愛いお客様ね」
その女性は俺を見て、口元に大人びた笑みを浮かべ、
「…………」
なぜか咲に足を踏まれた。
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「それに負ければ失うものがある。命を賭けて取り戻せるなら、いくらでも賭けてやる」
少年は、私が奪った少女を見つめ、揺るぎない意思と眼で言った。
「誰にもあいつは渡さない」
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それに前も思ったが、本当に表情がくるくるとよく変わる。楽しい話をしているときは笑顔になり、不満なことを喋るときは拗ねたような表情になる。テレビの泣いたシーンの話に出れば、思い出して泣きそうな顔になる。そしてまた楽しい話をして笑顔になる。
あいつとは大違いだな。
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何気なく自分の小指を見てみる。
この指から伸びる運命の赤い糸はいったい誰に結びついているのかと。
ふとある人の顔が思い浮かぶ。
慌ててかぶりを振る。
当たり前のように思い浮かんでしまうことがとても気恥ずかしい。
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ふう。来月はとらドラ!も発売されると云うのに、電撃のラヴコメは化物か!?

Tags : 付喪堂骨董店 御堂彰彦 電撃文庫

感想(考察) [ 2008/07/10 07:46 ]