▼三角関係
主人公は3人。高校2年生の
高橋浩平、同級生で幼馴染の
上原萌奈美、そして高校教師の
岡崎麻耶、以上の3人の三角関係を描いたラヴコメなのですが、確かにラヴコメなのですが、これラヴコメかあ?
■素材は充分な学園ラヴコメ
学園ラヴコメらしく誤解や主役3人に迫る脇役など素材は充分。そして恋愛故に互いの醜悪や毒が見える、不都合をぶつける、ってのはよくわかるのですが、例えば
CRAZY FOR YOUのような互いに通した結果、なんてものもなく、
さんざん迂遠な態度で幼馴染に期待させ、やっとこ伝えた本意は幼馴染に無視され、幼馴染は女教師を標的にして、女教師は高橋浩平を想いながらもその態度に…。とそれぞれが当然としてるものがそれぞれに狂ってる。
■幼馴染の幸せ
天真爛漫、しかし、それは相手を介さない独りよがり――少女漫画やエロゲに見られるよくいる積極的で明るい幼馴染が、少し見方が異なるだけでここまでのものになるのか…。
正直、幼馴染属性の僕にはきつい内容でした。
パルフェ~ショコラ second brew~というエロゲに
夏海里伽子という幼馴染ヒロインが居るのですが、結果も対象も異なるのですが、その
夏海里伽子の
バッドエンドに感じた悲哀と近いものを本作にも感じました。
【ニコニコ動画】パルフェ 里伽子シナリオ22~折れた心とくじけたくない思い~三角関係だと最近では
お前たちが俺の翼だなんてのがありましたが、揺れてるとか迷っているとかでなく、相手を決めてるのに関係に対して示さない気持ち悪さとか、これって誰得もんじゃないでしょうかねw
妊娠が発覚したところなんて、この作品のいびつな空虚がよくわかると思います。両想いなのに淀んだ何かを感じる
彼女とデートも相当でしたが、キャラクタのラヴコメ意識と読者のラヴコメ認識が見事にちぐはぐってる、それを狙って描かれてる。
相手を求めてるのに、相手を決める確信の理由が相手に無い。
これよく
ドラゴンコミックスで連載出来たなあ。
▼女の言葉
「私は子供だよ。子供だからね、私の事を好きでいてくれる人が好きなんだ。――(中略)――たぶん……浩平くんの方が大人だよね……あなたが好きなのは、誰かに好かれている自分だから」上記の引用はヒロインと
高橋浩平と決別する時の言葉。これを受けて、その後に笑顔を見せる
高橋浩平。こういう言葉は女性作家ならではかな、と思います。確信を持って、相手を認めて、でも許せるのは無関係だから。
■恋愛とラヴコメの差異
恋愛って相手を求める自分を認める、そして相手に求められる喜びと自尊心がある自己愛だと思うのですが、それにしても、この作品はそれぞれに対象がある、相手がはっきりと居るのに相手を許さない実に生々しい当人達の御都合主義があります。うぅん、これって
恋愛ではあってもラヴコメじゃないよなあ、なんて思いつつ
新井理恵の別作品をポチってしまうのでした。
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