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『襷掛け』と『尻端折り』のやりかた このエントリーをはてなブックマークに追加

映画『魍魎の匣』のDVDを観ていたら、京極堂(堤真一)が襷掛け(たすきがけ)尻端折り(しりはしょり)で動き回る場面がありました。
その姿を観て格好いい、と思ったのですが、襷掛け(たすきがけ)は兎も角、裾を帯に挟んだあの姿はなんと云うのだろう、と疑問が。
時代劇とかでも善く見てましたが、尻端折り(しりはしょり)、またはしりっぱしょりと云うのを今日初めて知りました。
僕はどちらも未経験でやりかたを知らなかったので、ついでに調べました。

たすきがけの仕方
袴の時のしりっぱしょり

襷掛け(たすきがけ)に関しては、更に一般と弓引きで違いがあるそうです。うぅむ、勉強になるな。
和服は通気など機能は良くても洋服に較べて機動性に欠けますから、こういう知識や経験を得れば、不断着として更に和服を活用出来るでしょう。
これらを憶えると今迄以上に無駄に和服を着たくなるから困るw



魍魎の匣―文庫版 (講談社文庫) (文庫) 京極夏彦魍魎の匣 怪COMIC 京極夏彦 志水アキ映画(DVD)  京極堂ツイン・パック「姑獲鳥の夏」「魍魎の匣」 京極夏彦
映画(DVD) 魍魎の匣の箱(初回限定生産) 京極夏彦オリジナル・サウンドトラック「魍魎の匣」 村松崇継

Tags : 京極夏彦 魍魎の匣 和服 着物

コスプレ [ 2008/07/14 21:49 ]

美術と衣装と音楽に「ほう」と魅せられる映画『魍魎の匣』 このエントリーをはてなブックマークに追加

映画(DVD) 魍魎の匣 スタンダード・エディション 京極夏彦賛否両論の映画化『魍魎の匣』を観覧しました。
京極夏彦の小説魍魎の匣を原作とした今作。
あちらこちらで言われていますが、かなりの改作です。
しかし、原作信者の僕ですが、今作は敢えて肯定したい。
慥かに、原作で重要だった要素はかなり省略されています。
あの小説の扱いがほとんど無かったり、京極の薀蓄(長広舌)は当然省かれ、人間関係も変更、シリアスなシーンの中でお笑いネタを展開、憑物落としのシーンが地味でアレ。
それでも、原作の輻輳した世界観を映像の娯楽作品としてはよく纏めたと思いますし、原作の魅力(世界観)もある程度は垣間見られたとも思います。
先ずは賛否両論の配役ですが、僕は割と肯定的です、一部を除きw
良かったのは──

京極堂(中禅寺秋彦)堤真一
関口巽椎名桔平
鳥口守彦マギー
中禅寺敦子田中麗奈
久保竣公宮藤官九郎
美馬坂幸四郎柄本明

・堤真一は前作から変わらないので違和感はなく、京極の小憎たらしい感じもよく顕れていたと思いますw 襷掛けに尻端折りの姿が格好よかった。
これで薀蓄が作品上で展開されていたら文句なかったのに…。
・実は今回の配役で一番嵌っていて驚いたのは椎名桔平の関口巽でした。鬱鬱した感じは映画自体が省いているので今いちですが、関口独特の間抜けっぷりと云うか、しどろもどろと云うか、京極堂や榎さんに突っ込まれる駄目っぷりが再現されていたと思います。鳥口(マギー)とのやりとりなんて御見事。
・田中麗奈は前作から良かった。最近、今更ながら田中麗奈良いなぁ、なんて思いはじめました。
・柄本明は流石です。美馬坂の浮世離れした所作、これぞ藝と云う感じでした。

そして美術。前作で易っぽさが露呈された衣装と美術が素晴らしい。
前作の古本屋『京極堂』の建物なんて妙に綺麗で全然を昭和を感じる汚れもなく、如何にも作りました、と云う感じだったのに、今作は建築物京極堂も、そこに陳列されている古本もしっかりと古い汚れが感じられ世界観を見事に構築していました。箱館は仮面ライダーZOみたいだったけどw

そして衣装(衣裳)。前作憑物落としは単なる着流しで、晴明桔梗も見られず、何より黒衣じゃないw
それが今作では見事に黒衣の男。背縫いの頂点、衿元には白い晴明桔梗が。
闇の黒地に星型が浮んだ。晴明桔梗だ。墨で染めたような真っ黒い着流し。薄手の黒い羽織には矢張り晴明桔梗が染め抜いてある。手には手甲。黒足袋に黒下駄。鼻緒だけが赤い。──姑獲鳥の夏
まさしく京極堂でした。原作の設定では夏でしたが、映画では冬のようで、登場人物は皆コートなどの上着を着ていましたが、それはそれで意匠として面白く、おかげで角袖コートが欲しくなつてしまつたw
思わずスタッフロールで衣装の名をチェックしてしまいました。宮本まさ江と云う女性らしいですが、ブログや書籍の類はありませんでした、残念。

オリジナル・サウンドトラック「魍魎の匣」 村松崇継そして音楽。DVDのメニュウ画面に主題曲である、その名も『魍魎の匣』が流れるのですが、初見で泣かされました。凄い。映像に欠けていた原作の寂然を見事に表現しています。サントラ買っちゃいましたもん。
僕は同作の漫画が素晴らしい出来だったのでMADを作ってしまったのですが、

その時は映画を未見だったので、別の曲を利用しました。しかし、今更ながら映画を観ておけば、と少し後悔しました。それ程に素晴らしい音楽。

本筋や映画に欠けていた箇所は方々で語られているので、余り触れられていない要素(裏方)を少し記してみました。
原作とは慥かに指向が異なりますが、これはこれで有りだと原作信者ながら思いました。
気合を入れればちゃんと映像化で面白くなるのだな。尺の問題だけ解決すれば改作といえどるろうに剣心(追憶編)みたいな神作になるのではないか、と京極堂の映像化の可能性も感じました。
同じキャストとスタッフで是非連続モノにしてくれ。次作の狂骨の夢の映画化なんてしなくて良いから(そんな情報ないけど;;)。

映画(DVD) 魍魎の匣の箱(初回限定生産) 京極夏彦映画(DVD) 京極堂ツイン・パック「姑獲鳥の夏」「魍魎の匣」 京極夏彦オリジナル・サウンドトラック「魍魎の匣」 村松崇継

Tags : 魍魎の匣 京極夏彦 映画 DVD

感想(考察) [ 2008/07/08 06:01 ]

江戸の悪霊祓い師 このエントリーをはてなブックマークに追加

新編 江戸の悪霊祓い師 (ちくま学芸文庫) (文庫) 高田衛1991年-刊行。解説・小松和彦。
祐天浄土宗総本山増上寺36世。
死霊解脱物語聞書-元禄3年(1690年)。
古今犬著聞集

浄土宗-総本山-知恩院(京都)
浄土宗-総本山-増上寺-「大門(だいもん)」は増上寺の総門のを指す。

下総国(しもうさのくに)飯沼の弘経寺
寛文12年(1672年)正月から4月(旧暦?)

河川=水神(土着宗教)。
女権。

憑霊=貨幣制度の利鈍、外来宗教(仏教)と土着宗教(神道)との狭間発生した軋轢(葛藤)が招いた現象。

Tags : 江戸の悪霊祓い師 京極夏彦 小松和彦 高田衛

感想(考察) [ 2008/07/03 21:37 ]

学問と娯楽の狭間で『妖怪大談義』 このエントリーをはてなブックマークに追加

対談集 妖怪大談義 (角川文庫 き 26-50 怪BOOKS) (文庫) 京極夏彦2005年に発売された単行本の文庫化。単行本が未読だったのと、荒井良の表紙に惹かれて購入。対談者は以下──水木しげる、養老孟司、中沢新一、夢枕獏、アダム・カバット、宮部みゆき、山田野理夫、大塚英志、手塚眞、高田衛、保阪正康、唐沢なおき、小松和彦、西山克、荒俣宏、尾上菊之助──合計16名。最後の尾上菊之助は文庫版特別収録とのこと。個人的に面白かったのは、山田野理夫、大塚英志、高田衛、小松和彦。学問と娯楽の対立、または共有に関する話題が興味深かった。
山田──外国の幽霊ってあんまりつきあいないから、つまんない。日本は面白い。これはつまり貧しさだな。
京極──貧しさが心の豊かさにつながっている、ということでしょうか。
山田──女の役者が禁止されて女形が出てきたっていうのと同じだよ。
寛永6年(1629年)の禁止令の是非はともかく、制限があるからこその精練はあると思います。
大塚英志とは、学問的な要素を娯楽に組み入れている、ある意味では同系統の作家として民俗学や文学を語っていて楽しめた。
京極夏彦のデビュウ作である姑獲鳥の夏の骨子のひとつである憑霊信仰論の著者、小松和彦。大塚英志も語っていた、ここ20年辺りの民俗学の停滞を憂いていた。それを象徴する文言が。
小松──その昔、日本民俗学会には会長がいた。柳田です。ところが、柳田が引いた後、誰も会長にならなかった。なれる人がいなかった。
京極──会長不在?
小松──今でも不在です。会長の代行の代表理事っていうのはある。
京極──永久欠番ですか(笑)
小松──お笑いになるかもしれませんが、本当なんですよ。私から見ればそうなった段階でもう滅びの道を歩き始めていたんだろうな、と思いますね。
僕は素人なので民俗学の遍歴は全く存じませんが、柳田國男の象徴性は認識しています。素人に対する影響力なども、実践する者にとっては、死活問題なのでしょうね。また、読者のひとりとして「そうなんだよ!!」って思わず声をあげてしまったのが以下。
小松──京極さんのこの10年は?
京極──僕自身はほとんど変わっていません。ただ、読者がどんどん厳密さを要求するようになってきている気はします。物語性と同じだけの情報量が求められている。先程論文も内容だけじゃなくて文章も良くなきゃいけないというお話がありましたが、その逆ですか。フィクションとしての質の高さのみならず、いや、のみならずというか、知的な面での質がエンターテインメントの条件に組み込まれている。今に始まったことではないと思いますが、知的好奇心も満たして欲しいと強く要求されている気がします。これは僕のような小説家に求めることじゃなくて、学者さんに求めることで(笑)。だから学問の分野の人にもっと発信して欲しいと僕は思うんですよ。
小松──がんばらないといけない。でも、小説を書くようにはいかない。だって学問は、手続きやなんやでそうは簡単に発信できない。地道な積み重ねが要りますから。
京極──ええ、その点は十分承知しています。でもですね、その研究が今どこまで進んでいるのか、結論は出ていなくてもいいから知りたいというのは正直なところですよ。例えばロボット工学なんかはいいわけですよ、2本足で歩きましたとか、跳ねましたとか、ニュースで放送するでしょう。でも、人文系は全然聞こえてこない、そうした現状に対する不満っていうのがエンターテインメントに跳ね返ってきているように思います。
そうだよ、そうなんだよ!!
自分では届かない専門と云う海原を、例え泳げなくとも砂浜から眺めたいんだよ。イチローにはなれなくとも、イチローの一挙手一投足に興奮するんだよ!!
文学(小説)は幻想に過ぎないけれど、その幻想に説得力を持たせる要素として専門は最適なんだ、と思う。そりゃ興味があれば論文でも何でも読むけれど、そもそも契機が得られないんだよね。だから、漫画なども含めた文学が専門を扱うのは素晴らしいと思うし、また、専門(学問)もまた表しかたを考えても良いと思う。
とは、素人故の身勝手さ。それは自覚しているんだけどね。
兎に角、そういう素人が知らない面が垣間見える対談集。
そういえば、日本で最初に妖怪と云う言葉が既述されているのは続日本紀なんだそうだ。
憶えても何の役にもたたないけれど、知的で素敵だ。
まさしく本書を象徴していると思う、妖怪

Tags : 水木しげる 養老孟司 夢枕獏 宮部みゆき 大塚英志 手塚眞 高田衛 小松和彦 荒俣宏 京極夏彦

書籍 [ 2008/07/03 00:55 ]

高田衛の著書『江戸の悪霊祓い師(エクソシスト)』が新編で再販される このエントリーをはてなブックマークに追加

新編 江戸の悪霊祓い師 (ちくま学芸文庫) (文庫) 高田衛国文学者高田衛の著書江戸の悪霊祓い師(エクソシスト)新編 江戸の悪霊祓い師(エクソシスト)としてちくま学芸文庫から再販されていました。江戸怪談集もネットを駆使して入手していましたが、上記の著書は持っていませんでした。
先日文庫化して発売された対談集 妖怪大談義にて京極夏彦と高田衛の対談も実に面白かった(未だ全部読んでないけど;;)。早く届かないかしら。雨月物語と並べてニヤニヤしたいw
ちなみに、解説は小松和彦です。

雨月物語 (ちくま学芸文庫) (文庫) 対談集 妖怪大談義 (角川文庫 き 26-50 怪BOOKS) (文庫)

Tags : 高田衛 江戸の悪霊祓い師 京極夏彦

書籍 [ 2008/07/01 01:50 ]