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浜渦正志とベンヤミン・ヌス「Pianoschlacht」に行ってきた このエントリーをはてなブックマークに追加

2013年9月16日
白寿ホール
台風の影響もあってか、客入りは約300席に対して半分くらい。
前日に、台風の影響を考慮して、開演時間を30分遅らせると発表してた。
男女比7:3程度。
開演ぎりぎりに浜渦正志が会場席についていた。

生ピアノの音

1曲目の最初の和音で、凄くこもって聞こえた。
ピアノ自体の音が悪いのではなく、マイクを通していないから、録音された音源では調整されている200ヘルツ前後が全くそのままなので、録音の音源になれきった耳ではこもって聞こえて驚いてしまった。
また、リバーブじゃなくサスティンペダルによる音の余韻が凄く揺れている、倍音の影響、反響による自然なビブラートも感知できてピアノなのにピアノじゃない感じ、むしろ逆なのだけど、決め所でのベンヤミンの深呼吸すら聞こえる環境はとても新鮮だった。ペダルをガコガコ踏む音など、そういった雑音を含めた生演奏というもの。

音楽と記憶

今回、知らない曲を聞いて、サウンドトラックという強み、音楽が商品として売れにくい理由、人間(自分)が記憶できる音楽、というものを思い知った。
音楽というのは、ある人物や場所や作品の場面に依存する。
音楽を聞いて連想される対象は、実は連想する対象が親で音楽が子供なのだが、音楽を音楽として独立させようとすれば、音楽から何かを想起させるということになる。
しかし、音楽を聞いて風景や人物など、サントラとして明確な提示がないままに自分の既知にはめこむというのは凄く難しい、少なくとも自分には出来ないと思い知った。
もちろん、この曲はこういう場面に使えそう、とか曲を聞いて単純にテンションがあがる、などといった効果は自分でも得ている。しかし、聞いたことのない曲を1度だけ聞いてから時間をおいて脳内再生出来るかというと、記事を書くつもりで聞きにきたのに、それを出来なかった。
あらかじめ音楽と連動した人物や場所を知っていれば音楽への反応がしっかりしたものになり、ちゃんと記憶に残るが、知らない曲で連想する対象が無いと、おぼえられない。
特に浜渦正志の曲は、同じコード進行でも実は経過音や転回でベースの動きが違ったり、1パターンのようでいて異なる装飾、しかも曲中の各展開をつなぐ動きも16分音符で細かく上下に動いたり、意図して空で歌えないような作りになっているので、初見ではつらい、と思った。

ベンヤミン

浜渦正志の曲と生ピアノは、浜渦正志×黒田亜樹 ピアノ&トークLIVE」2ndステージで初めて聞いたのだけど、この時は黒田亜樹のよれっぷりや時たまのひっかかりなど、酷いものだった。また、緩急を激しくつけていたが、AメロBメロというようなテーマごとに極端に変化させて、1曲の中でも連続した抑揚とは言いがたいもので、それも自分には苛苛するものだった。
今回のベンヤミンは、メトロノームにあわせたような安定感と同時に、テーマごとのつながりは勿論、1テーマ内容における抑揚も段階的に段階を感じさせぬ連続したものとして演奏していて、たいしたものだった。
MCも面白く、たどたどしい日本語ながら、少なくとも聞き取れて何を言っているのかわかる発音だったので、むしろ人柄の好感をまねいた。演奏終わりにマイクをとって「それでは浜渦さに来てもらいましょう」と言って席を見たら「…いない…あ、間違えました。このあとでした、ごめんなさい」と心底恥ずかしそうにしてたのに笑いを誘っていた。

目当てだったサガフロ2のラスボス編曲は、もともと戦闘曲としては編曲が薄く、打楽器が静かに細かく音をきざんでスピード感をたもっていたので、ピアノになってそういう要素を諦めて伴奏(ベース)はアクセントに終止、サビは付点4分*2,4分のような感じで速さじゃなく、むしろ気持ち遅く1音ずつ響かせていく情緒優先の編曲と演奏だった。箇所に通常戦闘のアコーディオン版のフレーズも織り交ぜていたり、ただのピアノ編曲じゃないサーヴィスもされていた。
FF10の襲撃は譜面が欲しい。むしろ原曲がピアノ1本で作られたかのように錯覚するくらい素晴らしい編曲であるし、演奏だった。

音楽 [ 2013/09/30 11:57 ]

【Logic】ピアノ音源の音質変化するVelocity値まとめ このエントリーをはてなブックマークに追加

Bosendorfer piano95
pop piano100
steinway piano106
yamaha piano100

音楽 [ 2013/05/24 18:10 ]

平均律における調(Key)に個性はあるのか? このエントリーをはてなブックマークに追加

  1. shu_tome クラシック作曲家はkeyによる特徴を認識していたし田中公平のいうこともわかるけど、そのkeyの個性を切り捨てたのは平均律だし、絶対音感を持つか、ある楽器に限定しないならkeyを個性とするのは馬鹿げてるだろ。純粋な管弦楽やピアノ1本など音域が広くずらせない曲でない限りはね。
  2. SHIMADEN 弦楽合奏や管楽器による合奏では平均律に取ることはなく、可能な限り純正音程で取るわけですが、そういう楽団でハ長調の曲をニ長調に移調して演奏しても、長2度高い位置でハ長調の時と同一の音程間隔で演奏するはずだと思いますよ。つまり平均律に関係なく、すでに調による個性は消失してると。>RT
  3. strnh @SHIMADEN アマチュアの「音律に対する意識」って今まで放置されていて(=判らない人が多いし、云っても直せないだろういう「絶対音感の神話」に毒されていると思う)なかなか「ここはこういう音律でやるからズレているよ」という指摘はされてない。そういう教育も受けてない世代が多いし
  4. SHIMADEN @strnh 音律はどこでも習わないからね。2声の合奏でハ長調で1stがE→F→G、2ndがC→D→Eだったとする。ヴァロッティ1754で取ると、2声間の幅は382→306→298(cent)となる。ニ長調に移すと幅は396→298→302と変わる。管や弦でもこう演奏すべき?
  5. strnh @SHIMADEN うん。 こーいう音律を適用すると、MIDIの出力とか、時々すごく気持ち悪いビリツキが無くなるか聞こえない程度弱まると思う。モーツァルトとなんかには最適だという説あり。
  6. SHIMADEN @strnh ただこういう特定の音律にしたがったピッチを狙ってわざと出すというのは音感はもちろんすごい集中力がいる気がする。その都度純正間隔に合わせてしまう方が楽(私みたいに音感が貧弱でも、純正から外れてるかどうかぐらいはわかりやすい)。
  7. strnh @SHIMADEN うん。これは厳密に云うとBCを意識したものであって固定した調弦を必要とする鍵盤楽器が合奏に加わったら明らかになることです。普段の練習からチューナーを使えば意識できる。今はそういう便利な道具があるのだから、積極的に使うべきだと。
  8. SHIMADEN @strnh 鍵盤楽器との合奏の場合、その鍵盤楽器がピアノのように平均律に調整されてると、管や弦はどうしたらいいのかというのが、まじめに考えると結構やっかいな話になるけど、鍵盤楽器が古典音律に合っていれば、周りの管や弦もそれに倣うというのには一定の妥当性はあるな、といま思った。

音楽 [ 2013/02/26 20:27 ]