TOP Page > 感想(考察)
TOP Page > 感想(考察)

スポンサーサイト このエントリーをはてなブックマークに追加

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
スポンサー広告 [ --/--/-- --:-- ]

読書と読後、勉強と云う名の娯楽 このエントリーをはてなブックマークに追加

読書術よりも読後術。読んだ後でやるべきことは?

よく言われますよね、大事なのは入力出力のバランス。
日本の教育では読み書きとも言います。読み(入力,インプット)・書き(出力,アウトプット)はどちらも大切なのです。先日読んだ『漢字と日本人』にも記されていましたが、日本語は特に文字優位の言語なので読み書き(入出力)への感応はとても大切です。
出力(アウトプット)の重要性は押井守のクリエイティブ論に惹かれ『スカイ・クロラ』が観たくなるでも引用しましたが――
『あの映画を見た、これを知っている』と情報をさばくことではなく、『あの映画がこう面白かった、ここが良かった』ということが重要。
――とあります。さすが映画監督。作品=出力する人の言葉は違います。感銘し、その通りだと思う。
読書術よりも読後術さて、僕が読書(読後)に関して気をつけているのは、先ずポスト・イット(スリム見出し)を利用しています。これは実用論文に限らず、漫画小説といったフィクションにもポスト・イット(スリム見出し)を貼り付けます。要点以外にも、格好いい科白(言い廻し)読めない漢字、などなど論旨や本筋とは関係ない事でも気になったところに貼り付けます。ポスト・イット(スリム見出し)赤,青,緑,黄と4色あるので、三色ボールペン情報活用術を応用してそれぞれの色に意味(役割)を持たせます。

三色ボールペン情報活用術 (角川oneテーマ21 (B-43)) (新書) 斎藤孝1.赤=論旨・主題
2.青=論旨の補強
3.緑=青に当てはまらないも重要な点
4.黄=私的に気になる点(言い回しや読めない文字など)

――などなど。
三色ボールペン情報活用術には本に直接記述を推奨していますが、僕も新書文庫はものによって傍線を引きますが、漫画単行本に書き込みや線を引くわけにもいきませんし、誰にでも汚したくない本だってあります。ですからポスト・イット(スリム見出し)で区分けから、後で色鉛筆3色(4色)ボールペンでメモ,ノートをとります。
3色ボールペン,マインドマップの応用←汚くて申し訳ないですが、画像は上野千鶴子『スカートの下の劇場』を読んだ際にマインドマップ三色ボールペン情報活用術を応用してとったノート。位置を意識して書きます。
僕が色鉛筆を使う理由は、色が豊富なのと濃淡がつけやすいから。ボールペンでもある程度は加減がききますが、濃いのも文字との対照(コントラスト)が解りにくくなったりするので、例えば文字をボールペン,丸で囲ったり傍線を引くのは色鉛筆と使い分けるのも良いかもしれません。

読書術 (岩波現代文庫) 加藤周一以上は出力(アウトプット)に関してですが、実際の読書(入力)に関しては、加藤周一の読書術が参考になるかと思います。後述します本を読む本論文(実用)が前提の読み方,考え方ですが、読書術は内容の軽重を問わず、論文,古典,実用,雑誌,小説などなどそれぞれに対する読み方(姿勢)を促しています。読む本の種類や分野によって、速読(斜め読み)や多読(比較)のどれが向いているか、どうしたら良いかが示されています。高校生(学生)に向けて書かれているのもあり、本文自体も「こうあるべし」と押し付けがましくなく、とても読み易く、論旨以外にも表現方法なども勉強になります。余りの素晴らしさに、僕はよく知人の誕生日プレゼントなどで贈っています。

本を読む本 (講談社学術文庫) M・J.アドラー Mortimer J. Adlerそして本を読む本ですが、こちらは輻輳した情報から主題論旨を示していく論文の効率の良い読み方が記してあります。
要約すると、本の題名目次(各章の見出し)を確認して論文の論旨(指向)予習(推察)し、全体を把握(意識)した上で読み進め、読者にとっての未知の言葉(専門用語など)と既知の言葉を区別して重要語句(キーワード)を判断し要点をおさえ理解する。
基本的には読めない文字知らない言葉がある学術系への対策で、趣味で読書する人には無用かもしれませんが、少しでも自分の思考と要約(理解と表現)を進めたい人は是非1読を。

そして、1文字1文字を読むのではなく、見開き2頁を眺めて文字を模様のように認識します。無論1文字1文字を読み進めていくのですが、気になった段落がどこにあったか。右頁か左頁か。2段組の場合もありますから、右上か右下か左上か左下か。
例えば、男女を問わず人の服装が目にとまると思います。ヒラヒラのスカートが愛らしいな、とかピチピチのシャツ似合わない、とか。シャツは良いのに靴や鞄が合ってないな、とか。本に書かれている文字も同じで、形があり位置があり相関しています。本の文章(文字列)も形や位置、局所と全体を意識して読むとそれだけでも違います。

GBC Quartet キュービカルマグネットホワイトボードM CC3018-J また、メモやノート以外にもホワイトボードも便利です。ノートだと構えちゃうぶん手間取る。メモだと小さい。そんな時にホワイトボードです。頁と箇条書き、読書以外にもちょっとした記述。僕は先日ホワイトボードを買いまして、気軽に書けるしすぐ読めるし捨てずに消せるし、玄関や踊り場で共有している家庭があるとは思いますが、PCと一緒にホワイトボードも1人1枚でも良いと思います。それぐらい有効です。

以上が読書と読後(入出力)に関する自分なりの現状です。
要点は、入力したら出力する。つまり読んだら書く。これに尽きます。
以下参考書をリンクしておきます。意味や意図、要約や表現、読み書きに悩んでいるかたに推奨します。どれも1度は読んでおいて損はありません。それ程に有名な著書ばかりです。

僕は今26歳ですが、今更ながら勉強が楽しい
それは決して仕事と結びつかない知識、つまり金銭などの物理的な利益がないものもあります。
ってかそっちが多数です。けれど、論文実用に限らず、小説漫画でも、真剣に取り組めばどれもが勉強です。
勉強とはやらなきゃいけないことではなくて、やらずにはいられない能動的な行為、指向、魅力なのだと、この歳にして思います。
Youtubeにあげたネタに異人さんからリアクションがあって、それに答えたいがために英語を勉強する、とか動機なんてなんだって良いのです。
これは僕がよく言う座右の銘みたいなものですが――
知らなければ調べ、解らなければ考え、出来なければ取り組む。

誰もが発する言葉こそ、性別、世代、人種をまたいだ人間の平等(幻想)をかなえる手段なのだから。
さあて、これから何を読んで、どう書こうかな。

読書術 (岩波現代文庫) 加藤周一本を読む本 (講談社学術文庫) M・J.アドラー Mortimer J. Adlerザ・マインドマップ トニー・ブザン三色ボールペン情報活用術 (角川oneテーマ21 (B-43)) (新書) 斎藤孝
感想(考察) [ 2008/08/08 03:27 ]

[18禁]本年最高の叙情エロ漫画、楓牙の『男の子女の子』 このエントリーをはてなブックマークに追加

男の子女の子 (MUJIN COMICS) [アダルト] 楓牙楓牙の新刊、男の子女の子エロ漫画で初めて泣きました
巨乳ラヴラヴのふたりでできるもん(東鉄神)、御嬢様ツンデレぷりプロ(いとうえい)、縞パン眼鏡な美らる(てりてりお)と合わせてついでに買ったのに、ここまで嵌るとは(エロ漫画だけに)。
本作は2組の男女を並行し全6話で描いています。
2組の内、表紙でも描かれている凸(でこ)ツンデレヒロインが堪らない(以下、凸子(でこ)と記す)。実はそれ以上にツンデレなのは男の子だったりするわけですが(好きな子に反発してしまう、男の子なら1度は経験ある筈)。
互いに素直になれず喧嘩が絶えない。けれど決して仲が悪いわけでもなく、周囲からは冷やかされる男の子女の子。よくある設定(テンプレ)です。
しかし、これがとんとん拍子のエロ展開にならないw

Tags : 楓牙 男の子女の子 MUJIN

感想(考察) [ 2008/08/07 00:09 ]

颯爽と殺伐の同居『君と僕のアシアト』よしづきくみち短編集 このエントリーをはてなブックマークに追加

よしづきくみち短編集君と僕のアシアト (ジャンプコミックスデラックス) よしづきくみち魔法遣いに大切なことで知られるよしづきくみちの短編集、第2弾(全7話)。本書の後書(あとがき)にある通り、単行本で発売されている作品は、はじまりのはこ、そして君と僕のアシアトを除いて連名(原作付)なのです。連名作(原作付)が悪い、と云うのではありません。僕自身魔法遣いに大切なことは大好きですし、サントラまで購入した程です。しかし、この綺麗(萌え?)な絵柄ゆえによしづきくみち自身が絵だけの評価を受けているのが、少し悲しいです。

本書の題名にもなっている君と僕のアシアトから始まる短編。この話からしてぎょっとさせられます。
既に亡くなっている彼女の本意を知りたいと、タイムトラベルを依頼する主人公(男性)。そこで主人公が惚れた当時の彼女と出会い、主人公が知らなかった事実が明かされます。この謎、というか彼女が主人公に語れなかった事、これがこの爽やかな絵柄に反してきつい。そしてそこからとった主人公の行動もまたきつい。僕自身共感してしまっただけに、きつい。一往、悲しいだけではなくて、知っていた表、知らなかった裏、それがどうつながり、どういう思いがあったのか、このまとめかたや颯爽と描かれている点が著者よしづきくみちの妙。

『about me』という話なんて、なんでそこで笑顔を見せられるのか不思議でなりません。大人も子供も、歩んだ道と望んだ結果、これが重なり合致するなんて稀なのです。それを突きつけるわけでもなく、しかしフィクションとしての幻想に逃げるのも許されない。この落ちを読んで、よしづきくみちは絵柄に反して結構を持っている気がしましたw

最小頁の『け・ん・か』は萌え話。一般的にはよしづきくみちはこういう認識なのかな。僕自身そうだったので。良いよね幼馴染

収録最終話の『なつみ』ですが、初出が同人誌と知って納得。これ商業で出せないよな。この話が一番怖かった。素直に正直に言って怖かった。僕自身は経験ありませんが、男の子の気持ちが解るし、平然としている女の子も、それはどちらも本人にとっては当然であり、だからやりきれない。テーマとしては重いのに、それを軽くさせず、それでいて爽やかに描けるよしづきくみちは凄いと思う。これは絵柄だけでなく、いかに主題を真摯に扱っているか、という姿勢だと思う。
僕だったら、もっと過剰反応して彼女を傷つけるだろう。とても大事な人だからこそ、驚くし怖いし迷うと思う。
ヌレスケ姿の方がよっぽど気になったぜ…!!
こんな事を言う男の子がどうして格好いいんだろ。そして、対する女の子の笑顔。よしづきくみちの主題って、出会いとか前向きな要素ではなくて、別れ喪失なんだと思う。
連名作品(原作付)の場合には爽やかさが表れる、それだけでも十分魅力だとは思う。けれど、上記のような別れ喪失を真摯に描いている作品だからこそ、描ける作者だからこそ、キャラクタの笑顔が眩しい
失った悲しみと踏み越える喜び、颯爽と殺伐が同居した作品。そこ面食いのあなた、絵柄に惹かれてよしづきくみちの深みに嵌ってみませんか。
感想(考察) [ 2008/08/06 07:06 ]

森博嗣・原作、浅田寅ヲ・作画、幻冬舎・文庫版『すべてがFになる』を購入 このエントリーをはてなブックマークに追加

すべてがFになる (幻冬舎コミックス漫画文庫 あ 1-1) (文庫) 森博嗣 浅田寅ヲ原作よりも漫画を先に知ってから嵌った作品です。原作のSMシリーズは全部揃えましたし、すっかり浅田寅ヲ信者でして、漫画版を既に持っているのに書き下ろしの表紙に惹かれて購入してしまいました。
ちなみに、この浅田寅ヲ犀川創平に惚れてアンダーリムの眼鏡をかけるようになりましたw
冷たい密室と博士たちは表紙つかいまわしていたので保留。けれど、文庫化されたって事は愈愈笑わない数学者も漫画化かされるのか?
「先生……、現実って何でしょう?」萌絵は小さな顔を少し傾けて言った。
「現実とは何か、と考える瞬簡にだけ、人間の思考に現れる幻想だ」犀川はすぐ答えた。「普段はそんなもの存在しない」
今更ながらミステリに限らずラノヴェブームの先駆けだったのかな。
感想(考察) [ 2008/08/06 05:18 ]

京極堂・中禅寺秋彦と千鶴子夫婦に思う このエントリーをはてなブックマークに追加

同人誌って無かろうか。きっと原作(オリジナル)は作品の魅力を保つための含蓄として描かないと思うけれど、例えば二人の出会いは戦前,戦中,戦後? 千鶴子は京極堂の仕事(憑物落とし)を理解しているのか、あるいは触れずにいるのか。どうやって口説いたのか? 憑物が原因なのか、それとも無関係だからこそ夫婦なりえたのか? 敦子の事情とは? 色色と妄想しません?w
関口本島のような一人称で――
どこまでもだらだらといい加減な傾斜で続いている坂道を登り詰めたところが目指す京極堂である。梅雨も明けようかという夏の陽射しは、あまり清清しいとは言い難い。火事と喧嘩は江戸の華、などと云うが京都もいっそ燃えてしまえと思いたくなる暑さである。知人に聞いた話だと東京よりも夏は暑く冬は寒いらしい。別に張り合っているわけでもなく、いずれ場所がどこであっても暑いのは同じ、求めるものも皆同じ、甘味ではなかろうか。そんなわけで私は汗を拭いながら京極堂を目指している。京極堂は菓子司だ。
といった感じで、実は千鶴子目当てで京極堂へ通っている男性の一人称で、千鶴子と秋彦の当時を描写する、なんてそれこそオリジナルでもありそうなものなのに無い-"-
あるいは京極堂という表現で、実は京都の京極堂と云う叙述トリックとかね。
誰でも良いから書いてみませんかね?
あるいは既存でしたら情報求ム。
感想(考察) [ 2008/08/03 03:52 ]