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身体で繋がる鈍感で未熟な二人、二宮ひかる『ナイーヴ』完全版がついに発売 このエントリーをはてなブックマークに追加

ナイーヴ 完全版(1) (ジェッツコミックス)ナイーヴ 完全版(2) (ジェッツコミックス)以前に全3巻で発売されていた二宮ひかるの代表作が未収録だった『口には出せない』や書き下ろし話も含めた完全版で再発売されました。僕個人はハネムーンサラダよりも本作が好き。めぞん一刻 電影少女 とらドラに並ぶ私的ラヴコメ四天王なのですが、如何せん知名度がorz
上記のラヴコメ3作品と異なるのは、セックスを描いているところ。エロいんだけど、エロいだけじゃないセックス
求める男、応える女。
けれど、どこか噛み合わない二人。だけど、一緒に居る二人。
帯には恋愛欲を刺激する二宮ひかるの代表作と記してあったが、まさにその通りだと思う。執着するも求めるも自分以外に対するなんだよね。本書を読むと、身体を求め、感情を求め、相手を求めたくなる。
二宮ひかるは女性作家だけれど、男性視点の「女ワカンネ」をよく描けてると思う。なんで言わないの? なんで引くの? ヒロインの藤沢麻衣子よりも年上なヒーロー田崎敦の振る舞いが共感出来るし可愛らしいw
そして、女性作家らしい女性としての逡巡や願望また描かれています。だから凄い。
ヒーロー,ヒロインと書いたけれど、全然たいしたことない二人なんだよな、主人公の癖に。ただの男女。感情移入とは違う、二人を見て思い考える、隣の芝生と反面教師。だから笑えるし痛々しい。
田崎「そんなに簡単に本気にならないでくれよな」
麻衣子「──え?」
田崎「いやホラ…簡単に『好き』って…」
麻衣子「──ああ あれは私の癖なんです
田崎「そう だからクセ…はい?
麻衣子「だからァ…癖なんです。感ジテルときの…
そう言って彼女は実に屈託なく笑った。
麻衣子「それじゃ おやすみなさい」
僕は男だから解りませんが、こういう女ってどうなんでしょ。ずるいよな。挙句に──
田崎「どうする? メシでも食ってく? まだ大丈夫な店あるよ?」
麻衣子「あ…いいえ、けっこうです。私……よく知らないひととゴハン食べるの苦手なんです」
田崎「あ…あ…そう?」
麻衣子「それじゃ! おやすみなさい」
思わず怒鳴りだしたくなる。てめえはっっ!! メシも食えんような相手とセックスできるって言うんかい!!
凄いね。これがセックスを仕事にしている女性なら解るんだけど、同僚がこれを言うのか。これを言われるのかorz
それでも接する二人。きちんと身体の関係は続き、徐々に感情も。田崎も拒まれないのではなく、受け入れられているのを感じます。
誰だってそういつも優しくされているわけじゃない。メンエキなんか簡単にはできっこない。
そう。嫌われるなら怒ったり悲しんだり出来るけど、優しくされたら受けてしまう。拒めないんだよね。
1巻終わりの話が本作を象徴していると思います。エロい意味でも情緒の面でも。
麻衣子「田崎さん…オナニーってします? 私はしますよ。田崎さんがほかのひととしているところを想像して──めちゃくちゃに感じて、とても悲しい
これを言う女ってどうなんだ? 言われる男ってどうなんだ?
題名のNAIVE(ナイーヴ)は善く繊細と云う意味で遣われますが、鈍感,朴訥,未熟と云うのがが本意です。
繊細なのではなく、鈍感で朴訥で未熟な二人
キュンとはしないし、落ちもない二人の物語。
ただの男女、だからこその物語。

もっと読者人口が増えても良いと思う傑作です。最後に帯の煽り文を。

読むと、したくなる。


男だけでなく、女もね。
そんな作品。

さて、次はシギサワカヤ九月病でも再読するかな。これも馬鹿な男女なのよね。

関連リンク
二宮ひかるのファンサイト MASHROOM
紙屋研究所の案内図 二宮ひかる『ナイーヴ』
ある二宮ひかるファンの日記
感想(考察) [ 2008/08/02 01:49 ]

魔性の女、悪女について このエントリーをはてなブックマークに追加

【男女板】一見そうは見えないのに魔性の女っていない?

↑の記事を見て思った。それと気付かない、見えないからこそ魔性なんじゃないでしょうか?
魔性と一言でも、性格は幾つかあると思います。
1.腹黒系
相手と恋愛感情に応える気がないのに、着かず離れずの関係で金銭や物品や食事など物理的な要素を相手から取得する

2.天然系
相手の感情を察せずに関わる鈍感
僕個人は、前者は悪女と呼んでいます。自身の利益をはっきり自覚して相手の感情を利用しているのですから。
後者が魔性。悪意はなく、それでいて相手の感情を袖にする。蓮川すみれみたいな、君には敵意もナケレバ、悪気もナイシ、誰にも迷惑ナンカかけてナイと思っテイル。自分を被害者ダト思っているし、他人に無関心のクセに、誰カガイツカ自分を助けてクレルト望ンデイル。だが、ソレコソ悪より悪い「最悪」と呼バレルものダ。他人を不幸に巻き込んで、道づれにスル「真の邪悪」だ。恋愛で付き合う気はないけれど、それでも貴方とずっと関わっていきたいなんて云う女ですよ!!
例えば、SMの様に、Mである男性への対応とか、一見袖にするようで需要と供給が伴っている場合もあると思うんですよね。それでも魔性の女なんて言われる女性も居るでしょう。
例えば、↓みたいなのを魔性の女と呼ぶ人も居るのでは?

オタクの純情な人々を喰いまくっております

この場合、女性も物品ではなく自尊心や恋愛感情を消化するための行動ですし、僕はそう思いませんでしたが、どうなんでしょうかね。
結局、男性の持つ幻想と、女性が持つ嫉妬の結果なんですよ、魔性の女なんて。
ってのが僕の結論。
それでも、藤沢麻衣子音無響子魔性の女だと思うね、俺は。
向かい席で二人で酒を飲んで、僕が隣に座るのを許してくれて、そして僕の肩に凭れてきたのに、この前も一緒に遊んで、帰り電車での別れ際にホームで見送る僕に、電車乗って扉脇に乗って立っていたのに一瞥もくれない彼女、そのひとが大好きなんだ俺orz

以上、チラ裏でした。

関連リンク
魔性の女とハマる男の心理
魔性の女の見分け方

悪女について (新潮文庫) (あ-5-19) 有吉佐和子

Tags : 魔性の女 悪女 恋愛

感想(考察) [ 2008/07/30 23:33 ]

ドSとドMの心を鷲掴み『寄性獣医・鈴音』 このエントリーをはてなブックマークに追加

寄性獣医・鈴音(2) (バンブーコミックスDOKI SELECT) (バンブー・コミックス DOKI SELECT) (コミック) 寄生獣+エロ+綾波=「寄性獣医・鈴音」(アダルト注意)』の記事に惹かれて購入した寄性獣医・鈴音ですが気付けば次巻を待ちわびて、そして先日最新刊(2巻)。18禁ではないもののエロ作品。そこが妙。作者春輝の描写は、表紙の通り人物は愛らしく、そして人外は泥泥と気味悪く、結果出来上がったのは地力が高いエロ漫画。エロ絵は実用的で、それでいてエロ漫画なのにサスペンス要素もちゃんと漫画している。アクションシーンも描けてるから男も格好いいし、そして何より、目隠しに後ろ手で縛られてる鈴音(・∀・)イイ
鈴音さんがキスしてくれたら教えてあげる…
なあに? 教えてほしくないの?

自分が鈴音だったらと云うドM心と、自分が鈴音をと云うドS心の両面を鷲掴み
春輝すごいよ春輝
春輝エロいよ春輝

Tags : 寄生獣 春輝 綾波レイ

感想(考察) [ 2008/07/28 23:55 ]

『報われない』そして『あっかんべー』属性よ集え。梅かわいいよ梅『君に届け』最新刊。 このエントリーをはてなブックマークに追加

君に届け (7) (マーガレットコミックス) 椎名軽穂梅かわいいよ梅(*´Д`)
そんなわけで、最新刊です。二人きりで、初詣、甘酒、誕生日。
読者は皆、爽子風早にメロメロでしょう。だがしかし、本巻の見所はなんと云っても胡桃沢梅でしょう。徐々に距離縮めていく爽子風早。そしてバレンタイン。風早へチョコを渡す、それを見てしまった爽子は、風早は誰からも本命チョコを受け取らない、と言い切ります。では何故のは受け取ったのか? 爽子は問います。対して胡桃沢梅は──
わたしは特別よ!…わたしは、もうとっくにふられてるもの。特別──でしょ?
君に届け (4) (マーガレットコミックス) 椎名軽穂 胡桃沢梅 あっかんべー 報われない女って怖えぇ。そして意地らしい梅タソ(*´Д`)
誰がなんと言おうと、君に届けのヒロインは胡桃沢梅です。異論は認めないw
報われない、報われない娘大好き。あっかんべー属性としても堪りませんな。
ところで、今回より新キャラ(男性)が出てきますが、そこまでの展開って必要かな?
個人的には、恋愛を中心に爽子の純粋性と成長が魅力だっただけに、段々と只の恋愛一辺倒になってきて、新キャラで余計に縺れてって展開なんだろうけど、当初の指向とは随分外れてきてる気がします。人気故の継続だから仕方ないのかもしれないけれど、正直減速していると感じます。絵は相変わらず綺麗だし、表紙も魅力的なのだから、本筋もその性質を保ってほしい。
兎に角──
梅かわいいよ梅(*´Д`)

Tags : 胡桃沢梅 君に届け 風早翔太 黒沼爽子 あっかんべー 椎名軽穂 マーガレットコミックス 報われない属性

感想(考察) [ 2008/07/27 18:22 ]

嫉妬主義に思う このエントリーをはてなブックマークに追加

以下の記事に同意した。

日本は「社会主義」というより「嫉妬主義」

動かず遣らずに羨む人を見ると苛苛する。そこに至る経過を無視して結果のみ評価する、それは評価だけなら良いけど評価対象と自身が関係する場合には傲慢だろうと思う。
ピアノを弾ける人は弾けるようになるだけの練習を重ねているし、持てる人は持てるだけの所作があるだろうと。
自分の不明を改めずに他人の判明を貶めるのには辟易。
先日、知人と「話さないのは聞き手の能力とは無関係に話し手の怠慢だ」と話題になりました。そう言ったのは僕で、相手は「私は○○だから。良いね貴方はそれが出来て」との発言。
ちなみに○○には性別や年齢や個性や好きなものを代入してください。
言わない叙情もあるでしょうが、それは言葉を尽くし、あるいは共に過ごし、互いに知りえた結果であって、自分が何もせずに相手(周り)に求めるのは如何なものだろうかと。
漸う個人主義が標榜しはじめた時代に、未だ或る属性を引き合いにし、それでいて属するのを嫌うのは暴慢だと思う。
そして個性も打ち出さず属性に隠れる。
古い「憑きもの」信仰は、たしかに滅びつつある。しかしながら、本稿で垣間見たように、農村ばかりでなく、現代の都市生活者の、重層した形で帰属する複数の集団のそれぞれのなかにおいてさえも、衣を改めた「憑きもの」信仰がなおも生きているのをはっきりと認めることができる。人びとが他人を犠牲にしてでも自分自身の上昇を望み、その一方では他人の成功を苦々しく思い嫉妬を覚えるかぎり、広い意味での「憑きもの」はけっして人間社会から消滅することはないのではなかろうか。――以上、憑霊信仰論より引用
嫉妬や羨望は自身が歩み上る時のみ有効なのであって、それ以外は単なる差別と阻害にしかならない。いい加減、本邦はこの半端な憑物を祓うか熟すかはっきりすべきだと思う。

憑霊信仰論―妖怪研究への試み (講談社学術文庫) 小松和彦

Tags : 憑霊信仰論 小松和彦 社会主義 民俗学

感想(考察) [ 2008/07/25 15:26 ]