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男の孤独と女の共感こそが終わらない厨二病【美しいこと】橋本みつる このエントリーをはてなブックマークに追加

美しいこと (WINGS COMICS) 橋本みつる橋本みつる美しいことを読んだ。
青いドライヴの表紙と題名に惹かれて購入して以来、このGreys的な男女の顔になぜか愛着を持ってしまい、もともと妖怪だ人種だと異文化交流を扱った作品が好きなのもあり、マジックリアリズム恋愛作品を分野としてはっきりと認識する契機にもなった作家です。
僕は森見登美彦も好きなのでそういう素養はあったみたいだ。
これを読んで思ったのは厨二病とは思春期の自意識過剰によるものだけど、その上で男は「誰にも知られぬ孤独」を、女は「誰にも知られる共感」を望んでひたるのかなと。
何でこんなに人と感じ方が違うのかな
って色んな人がそう思ってるのかな
その場を離れたら忘れてしまうような事にすぐ綺麗だ素敵だ可愛いと口にする同級生(女性)に腹を立て、かと言って争いたいわけでもなく1人で煩悶とするみなこ
そこに、小学生時代に超能力少年としてTVに出演し有名になったものの流行は去り既に一般人となっている夜居(よずえ)と出会う。
あるいは彼の超能力は本当かも知れない、誰もが簡単に口にする浅く軽い「綺麗」じゃなく、何かの核心とも言える「綺麗」を彼だけは知ってるのではないか、と彼に迫るみなこ
概略はこんな感じで実に痛々しい微笑ましいw

夜居も彼女とは別に気づいてしまう能力(チカラ)があるだけに、彼女とは別の指向で思い悩む。
表紙だけ見るとクールなイケメン眼鏡なのだけど内面は割と幼くそこに萌えるw

中学校を卒業しすぐに結婚,出産をし同世代から苦笑される女の子や、あるいは自分達と違う状態だからこそ感じる何かを求められる盲人など、扱いは割と軽いけど作者と作品の真面目さが伺える。
僕は社会人だし、多くの読者と同じく不本意な愛想の必要性や有効さを知っている。だからこれを読むと気恥ずかしさが先に表れるけど、今の歳でこれを読んでも同意するし戒めにもなる。
初対面の相手に愛想をよくするのはわかるし当然だけど、幾らか継続すると容易に予想できる相手の話を笑顔だけ振りまいて右から左の人は多くて、僕自身辟易する。
たまに ずっとこのまま誰にもわかってもらえないのかもと思って凄く怖くなります
ここが先述した点、男と女の厨二病の違いかな。男だったら「おまえらがそうやってのうのうと過ごしてる今も奴らとの戦いは続いてるんだ」的な、あくまで孤独に酔うのだけど、女の場合は自分も相手を無視あるいは右から左の癖に相手に理解を求めるのだね。
行動する身勝手と行動しない身勝手。そこに有るのか無いのか美しいこと
「何忘れたの?」
「んー」
「ジャージは持ったよなあ」
(彼女から不意にキスをし)
「忘れ物なんて嘘だよ」
「う…うぜえ…」
それでも一緒に過ごして至る彼ら。べ…別にうらやましくなんかないんだからね!泣いてなんかないんだからね!

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Tags : 橋本みつる 美しいこと 中二病

未分類 [ 2010/01/23 15:37 ]