Stan Lee「実は私は、ソープオペラのマンガも好きでね、1950年代にも新聞連載のメロドラマのコミックスの原作を書いていて、いまに始まったことじゃないんだ。ミリー・ザ・モデルも私は好きで、私はメロドラマを楽しんで書くんだよ。もっとこの種のコミックスを描きたい気持はあるんだが、人気がいまひとつでね」(中略) 彼が女性向きのロマンス・コミックスのスト-リーを書くのが好きだ、というのもおもしろい。マーヴル・コミックス(タイムリー社時代も含む)もDCコミックスも、50年代から70年代の前半までは、スーパーヒーローものとは別に、女性向けのロマンスもののコミックブックを何種類も刊行していて、ひとつの人気ジャンルとなっていた。(中略) 残念ながらこの分野は、1970年代で終わってしまったようだ。僕自身、アメコミ=スーパーヒーロー認識だったのだけど、アメコミの背景は日本の漫画より凄いのか?と言う記事を書いたときに日本の恋愛漫画とスーパーヒーローのアメコミを比較してからアメコミのジャンルに興味を持って気になっていた。
日本のマンガは面白いわね。人物はとてもマンガ風にデフォルメしてある場合でも、背景に飛んでる飛行機なんかは実に細かいところまで描き込んであるのね。あれには感心するわ。僕もアメコミの背景は日本の漫画より凄いのか?で書いた、日本の漫画も決して線が少ないのではなく、誇張と省略する人物絵と、写実的に描く背景の2つが混在してるが印刷が白黒だから印象が薄いだけなのだと。
2つあります。1つはマンガで扱う内容がとても多様で、マンガを読む人口が多いこと。アメリカ人はあまりマンガを読みません。女性マンガ家が多いのと、少女マンガの人気の高さも日本独特です。もう1つは表現の独自性。欧米の物語マンガでは、1つの作品のなかでキャラクターの描写は、始めから終わりまで感情的に一定している。つまり、登場人物を外から見ている客観描写です。(中略) それが、日本のマンガでは、1つの作品のなかでも、その人物の感情によって、人物を描くスタイルが急にそこだけ変わる。感情が爆発すると、突然マンガ調の顔が劇画的になったりする。そうすることで、読者を作品の内部、主人公の気持のなかに惹きこんでしまう。いわば主観的な描き方ですが、これは欧米のマンガにはない手法で、とてもおもしろい。これも背景と同じく、白黒故にできた表現だろうか。色を変えられないなら形(絵柄)を変える。
「アメリカン・コミックス大全」というタイトルは編集者がつけたもので、それならもっといろいろとりあげなくてはと、あせってあれこれ書き加えたというのが実情です。ですから当然、「アストロシティ」のことが出てないじゃないか、「ウォッチメン」「復讐のV」はどうしたなど、自分のお気にいりのマンガのことが書いていないというお叱りを受けてもしかたありません。自分でもとても不満です。「大全」からははるかに遠く、しかし「大全」を夢見る気持は、どうか察してください。私よりもアメリカン・コミックスに詳しい人たちも出てきており、嬉しいことですが、そうした人たちにいつかほんとうの「大全」を作ってほしいものです。関連記事
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