POVに限定しているので作品の分野はどうしても限られるんですが、それにしても今作は怖かった。
以前に観たクローバーフィールドよりも導入部が自然かつもともとTVの取材と云う設定なのでバツバツカットを繰り返しダレない小気味良い編集GJ
■スペインにも感染する萌え(MOE)
そして何よりヒロインのお姉さんが素晴らしい。
マニュエラ・ヴェラスコ(
Manuela Velasco)というスペインの女優なんですが、若くて別嬪で、しかもホラー映画としての演技や日常パートの茶目っけも魅力的。
そして、序盤の取材してる髪型は
おさげ、そして本編ホラーパートになってからは動きやすいよう
ポニーテールにするなど、もう
萌え萌えキュンでした。
警官などに取材のために噛み付く勇ましさを見せながら、後半暗闇の不安からカメラマンの名前を呼んで縋り付く萌えのツボもしっかりと心得ています。
最後のシーンは演出ともに素晴らしく、うつぶせで見える彼女の
おっぱいばかり観てました(え
そういう映画じゃありませんけどw
■ホラーの王道
ホラー映画としても1流だと思います。音楽がないぶん作り物臭さが薄れて
POVのいいところだけで出来上がった映画かと。
例えば
28日後など最近のゾンビ映画のような大量のゾンビは見られません。
しかし、日常から異常へ展開し、同じところを行ったり来たりしながら、同じ場所で異なる状況のめまぐるしい展開が恐怖を呼び込みます。
初期のバイオハザードなどホラーゲーム(アドベンチャ)をかなり参考にしているのでは、と思いました。
特にどこにでもあるアパートかと思ったら、物語の核心が実はその建物内容にある、なんて正直出来過ぎてて笑ってしまいました。
また、
ミスト(
THE MIST)のように同状況下で異なる人物、つまり群像劇的な色も強く、人種や性別なども含めてかなり日常性の見せ方に凝っています。
また基本に忠実で、吃驚箱が実に巧み。
「来るぞ、来るぞ」ってわかってるのに来たときに身体がビクッとするほど、映像の迫力と煽りが素晴らしいです。
■怖いというより不快
1点、個人的に受け入れ難いことがありました。
登場人物の1人に幼い女の子がいるのですが、扁桃炎の女の子を母親が抱きながら原因不明の状況で言い争う中、女の子があるいは原因なのかも知れないと言った瞬間に抱き上げていた女の子がゾンビ化する。
作品として怖かったのですが、子供でここまでやってしまうのか…と僕には中中表現として受け入れ難いところでした。
■日本はホラー系が有名?
ところで、本作には日本人の家族も登場人物にいて、スペイン語と日本語を使い分けてる描写がありました。
ブラインドネスでは木村佳乃が、
クローバーフィールドも日本の文化に触発され、また日本に関する事柄も話に多少組み込まれています。
欧米では日常性を示すために異人(日本人)がある、つまり娯楽にしろ人種にしろ日本が日常に浸透している、ということなんでしょうか。
あっちの想像した変な日本人ではなく、日本人がちゃんと日本人だったので日本人が観ても何の違和感もありませんし。
マーケットとしての日本を重要視した結果なのかも知れませんけど。
■最後に
そんなわけで、キャラクタに状況の展開、そして映像演出、
POVというイロモノではなく、むしろホラーとしての王道を行きながら少し現代的な挑戦を見せた素晴らしい作品じゃないかと思います。
最後の最後のあのセリフは、折角
POVとして体感的な作品なのに「これは作りものですよ」と作者がわざわざ言ってるようなもんで、あれは余計なんじゃないかと思いましたが、日本のゲームなどの影響を少なからず受けているところも見られるので、日本の娯楽好きな人なら西洋東洋のいいとこ取りな娯楽作品として楽しめるんじゃないでしょうか。
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