発売、レンタルされた
WALL・E(ウォーリー)を観ました。
いやあ、思ってた以上に面白かった。
正直なところ、
Disney(ディズニー)と
PIXAR(ピクサー)って時点で、色色と読めてしまう要素があって余り好みではないのですが、今作はまさしく
王道という名に恥じない、老若男女が安心してドキドキハラハラ出来る1流の大衆娯楽でした。
以下、結末には触れていませんが軽くネタバレあります。
▼魅力あふれるキャラクタ
もうテンプレと化したこの見出しですが、これ以外に言いようがありませんw
■WALL・E(ウォーリー)
キャタピラで走るロボットなのですが、仕事を終えて家(基地?)に帰るとホイールからキャタピラベルトを外してスタンドに掛けます。この動きが靴を脱ぐような開放感と満足感と疲労感を漂わせた実にロボットらしからぬディズニー(ピクサー)らしい柔らかい動き。ロボットもスリープしますが、起動後の動きなんて起動と言うより寝起き?とゴミ処理が仕事という実に味気ない面を見せながら、こういう生臭いアナログな面もしっかり動いて見せてくれる、冒頭10分だけで随分とニヤニヤさせてもらいました。特におかしかったのが、ゴミの中から面白い物を見つけては持ち帰って宝物にしてしまう
WALL・E(
ウォーリー)なんですが、中にはスプーンとフォークなど人間(観覧者)にとって価値がわからないものもあります。そして、
WALL・E(
ウォーリー)は
先割れスプーンを見つけて持ち帰るのですが、いざコレクションとしてしまおうとした時に、それがスプーンの場所に格納すべきかフォークの場所に格納すべきかキョロキョロと見比べて、結局は間にポツンと置いてしまう、これが凄くもうニヤニヤしちゃいました。
■EVE(イヴ)
一往両者はロボットですがそれぞれ男女であるような描写がされているのでヒロインと呼んでしまいます。
この
EVE(
イヴ)がまたたまらない。
WALL・E(
ウォーリー)に対して
EVE(
イヴ)は曲線を描く未来的な姿。初登場の場面なんてCGアニメとしてばっちり客を惹き付ける縦横無尽な動きを見せてくれます。
その美しさなどに魅せられる
WALL・E(
ウォーリー)=客。そして
WALL・E(
ウォーリー)と
EVE(
イヴ)のファーストコンタクト。
僕は本作を1人で観たのですが、例えば子供があれを観たらどういう反応をするのだろう。
ネタバレ反転→【
初対面でいきなり主人公を撃つヒロイン】
←ネタバレ反転僕は1人で「
ちょwwwおまwww」と笑いが止まりませんでした。
一往ヒロインという設定は上映前から提供されていましたし、それだけにあの第一印象は強烈。
美しいだけではない
女って怖いなあと思いましたw
▼最新CG技術から観られる美しさと懐かしさ
本作は可愛らしいロボットが主役の所謂
SFであり、製作した
ピクサー・アニメーション・スタジオはCGによる3Dアニメが売りです。
しかし、本編では宇宙に限らず荒廃した世界で過ごす
WALL・E(
ウォーリー)が主人公。その生活の描写は先に挙げたキャタピラベルトのように凄くアナログ。
本編が始まってから20分程は主要キャラクが発音はしても発声しません。つまり言葉が無いまま進行していきます。
そこに違和感を持たないのは音楽や効果音などがありつつもキャラクタの動き、描写が余りにも生きていて
チャップリンなど
サイレント映画(
無声映画)のような独特の印象を受けました。
流石に物語が展開するにつれ言葉は頻発するのですが、キャラクタの動きこそが本作の大きな魅力でありごちゃごちゃとうるさくない台詞にも感銘をうけました。
■老若男女に対する遊び心
SFというジャンルなのに冒頭で流れる曲や
WALL・E(
ウォーリー)の宝物のひとつであるVHS(映画)
ハロー・ドーリー!など、ワクワクを抱いた子供よりもニンマリするのはおじさんおばさんじゃないでしょうか。
■PIXARおやくそくの現代的な遊び
WALL・E(
ウォーリー)の充電完了の効果音が
Appleの起動音だったり、作品内容で音楽を流すのに
iPodが使われていたり、一部の観覧者はニンマリしていたんじゃないでしょうか。
2001年宇宙の旅などの挿入曲も実に効果的で良かったのですが、劇中の音楽は
ファインデイング・ニモを担当した
トーマス・ニューマン(
Thomas Newman)でパーカッションと得意のピアノによる彼らしい曲も良かった。
▼総評
ゴミ処理が仕事の気弱な
WALL・E(
ウォーリー)と縦横無尽に飛び回る
EVE(
イヴ)。日本では
ヘタレ攻めの男と
強気受けの女は人気ある分野ですが、ヒーローよりも強いヒロイン的なのは欧米の有名な長編作品としては珍しいんじゃないでしょうか?
ある世界しか知らない
WALL・E(
ウォーリー)が
EVE(
イヴ)と出会い、そして
EVE(
イヴ)に近づくため、離れぬために活躍する。活躍と言っても
EVE(
イヴ)と一緒の時の危機はほとんど
EVE(
イヴ)に突っ込まれ怒られてばかり。
このラヴコメだけで胸一杯なのに、次次と展開を見せ出てくるキャラクタと謎と、そして右往左往する2人(正確には
WALL・E(
ウォーリー)だけがw)。
誰が観ても、子供に観せるからこそのだれさせないうまい省略に展開。よく90分におさめたなと関心してしまう構成。裏や影を知る大人が観ると未来や将来に対する含みと示唆が得られる叙情描写。CGアニメにありがちな
FF7 ACのように綺麗だけじゃない実に泥臭くそれでいて汚くない映像美に魅力あるキャラクタ。
そして本編を見終わってもまだ楽しませる
MOTHER2的なエンドロール。
僕はレンタルで観覧したのですが、これ書いてる最中にポチってしまいました。
■愛と笑いと謎がある冒険、王道を歩みたいなら是非
手をつなぎたくともウゴウゴする草食系男子
WALL・E(
ウォーリー)と何かあると1も2も無くぶっぱなすツンデレな
EVE(
イヴ)が織りなすスペースラヴコメ。
愛と笑いと謎がある冒険、王道を歩みたいなら是非。
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WALL・E/ウォーリー◆
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Disney.jp | ディズニー・オフィシャル・ホームページ◆
ピクサー・アニメーション・スタジオ◆
WALL・E/ウォーリー - Wikipedia◆
超映画批評『WALL・E/ウォーリー』85点(100点満点中)
Tags : WALL・E WALL-E ウォーリー DVD ディズニー ピクサー 草食系男子 肉食系女子 ツンデレ