google副社長の
村上憲郎が30歳から始めて現在
google副社長に就任するまでおこなってきた英語の勉強方法を記したのが本書。
凄く薄い(
約150頁)なのに内容は凄く厚い。
素晴らしいのは、よくある教材本のように順序立てた論理や体系を重んじた勉強ではなく、
村上憲郎がビジネスマンとしてやむを得ずした勉強だからこそ、有用と無用の怜悧な判断、実践こそ凡てとした教材というよりも、どの分野にでもいる
凄い人の骨(コツ)としてまとめられているところ。
目次を
読むとよく解る。
- 英語を読む
- 英語を覚える
- 英語を聴く
- 英語を書く
- 英語を話す
以上。これだけw
このSimpleな内容から、更に掘り下げた内容に、それぞれの骨(コツ)が記されている。
一番面白く魂消たのが54頁
1.英語を読むに記されている骨(コツ)。
究極のところ、英文は「S+V」しかない
英文法と言えば
5文型が外国語の勉強としての基本だと思うけれど、著者
村上憲郎は仕事で英語を扱うからこそ、そういう手順を踏む余裕がなく、先ず知らなければならない語句のみを扱い実践、そして
「S+V」(主語+動詞)に行き着いたそうだ。
当然ながら、「
S+
V」(主語+動詞)の他にも文法がありそれらも並行して勉強するのが条件で、あくまで取っ掛かりに過ぎない。しかし、これだけを意識するだけで、恐れずに英文を前に出来るだろう。
他にも、解らない形容詞は
Goodか
Bad(良い悪い、+ or -)に置換する。
などなど、本書の前提は
英語(外国語)の勉強は時間がかかる。読み,書き,聴き,話す回数が多ければ多いほど有効である。という、
苦労せずにすむ魔法などないと至極当然を先ず認めてしまう。
だからこそ、士気を落とさず継続できる方法を模索、紹介している。
最初に
「S+V」(主語+動詞)を意識する。そして、主語と動詞、命題と説明がどれなのかを判断するために、以下の骨(コツ)が記される。
英文の始まり12種類
- 前置詞で始まったらイントロ
- THE or A で始まったら主語(Subject)
- Whenから始まり,(comma)があったら主語(Subject)
- 名詞(noun)で始まったら、ほぼ主語(Subject)
- It-ならIt-ThatかIt-toとなり、だいたいが仮主語
- To-ならイントロもしくは,(comma)が無ければ主語(Subject)
- There-ならThere+動詞(Verb)+主語(Subject)で「Sがある」
- Ving-ならイントロもしくは,(comma)が無ければ主語(Subject)
- Ved by-なら,(comma)までイントロ
- What-なら文末に感嘆符(!や?など)が無ければ主語(Subject)
- -lyやButなら,(comma)までイントロ
- 上記以外の例外
51頁(page)より引用。
そして、以上をこなすために必要な単語の記憶は、単語帳などを扱わず、
単語一覧表を作り、ひとつひとつ意味を理解し暗記しようとするのではなく、とにかく
単語一覧表毎日目にする状況を作る、と言う。
これはよく解る。誰でも好きなことは名前や科白や色々なことを記憶するだろう。それは、好きだから面白いから読む見る聞く回数を重ねているからこそ。
好きじゃなくとも、たとえば興味のない芸能人の顔と名前を何故か記憶している、なんて経験が誰にでもあると思う。それは、好き嫌いを問わずに惰性で見ているTV番組など、日常的に目にし耳にしているからだ。
無意識の記憶を有用するために、ともかく目にする耳にする回数を増やす。それが単語の記憶、そしてリスニング(英語を聴く)にも通じる方法。
本当、当たり前のことが当たり前に書かれているだけなのだけれど、目から鱗でしたよ。
特に
「S+V」(主語+動詞)なんて、何故
フォトリーディングなんて
速読が成り立つのかえらく納得したし、文法や発音など形式を気にするばかり萎縮して英語を話さなくなるくらいなら、どうせネイティヴじゃなきゃ解らない
「R」と「L」の違いなんて気にするなと著者は言い切る。
凄すぎるw無論、発声練習は大事だし必要だけれど、先ずは英語を
読む,聴く,書く,話すのが絶対条件。
英語が出来ずに将来起こりえる言語による孤立を迎えるくらいなら、下手でも英語を勉強すべし。と著者は示す。
最後に、著者は英語だけでなく、母国語としての日本語、国語教育についても少し触れ、熟語や慣用句や古典の教育を強化すべきだ、と論ずる。
僕自身、
漢字と日本人を読んだ時にも、言葉=概念であり、概念=指向、個性や民族性の象徴なのだから、英語ばかりでなく、国語(日本語)や他国語も等しく大切なのだと痛感した。
だからこそ、小説や漫画が好きで、結果として国語好きにもなり
日本国語大辞典第1版(全20巻)を中古8,000円で入手した時には泣いて喜んだし、現代文学(漫画含む)を楽しみ、旧字旧仮名遣いにも憧れ読み勉強し、古典を読むために古語も少しずつだけど手を出しています。どれもがこなせる程にはならないでしょうし、それで良いと僕は思っていますが、興味があるからこそ、程度はどうあれこれからも継続していくでしょう。
そして、国語である日本語が素晴らしく楽しいからこそ、英語という外国語の素晴らしさ楽しさも少しずつですが解ってきました。苦労はありますが、辛くはありません。
今更ながら、語学は楽しいと思う。
村上憲郎は語学ではなく大事なのは
語力、つかってこそ意味があるチカラ、ひたすら経験たくわえる
語力こそが英語には必要だと説きます。
うぅむ、敷衍すればどれにも応用できる抽象、認識だ。
だからこそ、この本は凄い。
士気を保つためにも、骨(コツ)以外のとこも、何度も読み返す、そんな意味や価値もある本です。
ああ、早く字幕なしで
ダークナイト(The Dark Knight)が観たいぜ。
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Tags : 英語 村上式 google 勉強