久しぶりに
ささだあすかの作品が何か読みたいな、と思っていたら結構見落としていた作品があったので、その中の1冊
唯川恵原作【
永遠の途中】を読みました。
唯川恵の名前は知っていましたが作品は読んだことがなく良い機会でした。
同世代の同僚である女性2人が、一方は恋愛、他方は仕事を選び生き、どちらが女性(読者)の幸せか、という作品。
これまで
ささだあすかの作風は、基本的に上記のようなしがらみ捕われない、自分を持った天然の自由な人物が多く、それだけに妬みや束縛などが描かれたこの作品は、原作付らしく別の路線として新鮮でした(持ち味がなくなったとも言えますが)。
それにしても、女性ってほんと表裏が激しいと言うか、台詞(
Dialogue)と本音(
Monologue)がここまでぐちゃぐちゃとして相手なんてどうでもいいのに相手に固執する矛盾と願望がとんでもない。
この作品は誇張した表現は少なく、会話が基本で絵の描写も
ささだあすからしく淡々としているのに、ここまで怖いと言うか呆れてしまう程に女性を描き女性らしいのは凄い。
仕事を選び本人にとっては失敗、相手にとっては成功。
結婚を選び本人にとっては失敗、相手にとっては成功。ひたすら自分の幸せを望み、けれど基準は相手の幸せ、という浅ましさ。ある程度なら男女不問で抱く矛盾と願望ですけど、そもそも比較する問題ではない結婚と仕事を比較して型(幸福)にはまろうと考え、その前提が誤ってるのに気付かない彼女達。
原作を知らないので背景、小道具には違和感もなく、偏見を持たずに読めたのが良かったのか、単純に女性を主題にした作品として面白かった。
自分の旦那と親しい筈の女性が敬語だとそこまで思い到るのか、と。
読んでて思ったのは、
女の勘は徹底した自己肯定なのだな。
外れてたら忘れる、あるいはすり替える。
根拠のある予想より、根拠のない結果。常に
現在進行だけで他は切り捨てる、前向きと言うか使い捨てというか、兎に角、この作品の女性像は漫画なりに現実的で、面白く納得できるだけに苛々する。
本人が一生懸命なのはわかるけど、比較し求めてるのがそもそも誤りで甘えなのだ、と女性はこれを読んで思うのだろうか。徹底した無根拠なる自己肯定を抱いて。
同系統の作品
言い寄るも読んだけど、こっちは主人公のさっぱりした性格が対女性の無遠慮に拍車をかけて、まさに女の敵は女、と思い知らされた(大袈裟)。
ある意味、男性向けのハーレム漫画みたいな気持ち悪さがあった。
関連リンク
◆
ささだあすか ささだん日記◆
唯川恵 - Wikipedia◆
ささだあすか - Wikipedia◆
20代の情報収集、男女で差異 - 男性はインターネット、女性はテレビ マイコミジャーナル
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