押井守の作品なのでいつも通りに諄くてアレなんだろうなあ、と期待せずに観たらこれが僕にはドンピシャ
あれ?押井守監督作品なのに面白い!?と
レンタルで観覧→DVDとサントラをポチった作品。
何でもかんでも説明したがる押井守の性質から歳を重ねて所謂「丸くなった」のか最近では絵コンテが嫌いだと公言し、
宮崎駿の絵コンテと比較すると白身
(1page=5コマの内2,3コマが白身)が特に目立ち、完成と構想の差異が明確で面白かった。
後ろのPageではInterviewも記載されていて、
【映画スカイ・クロラ】青空を見上げた時の清々しさと虚しさ。あれ?押井守監督作品なのに面白い!?でも書いたはっきりとした印象、押井守以外の表現にも触れていて、それが意図的であったと明言されている。
『スカイ・クロラ The Sky Crawlers』に関してはさ、なるべくね、自分を出さない努力をした。
僕は彼の作品では
人狼が好きなのだけど、あれは構想,脚本であって監督や演出は別人。そこがうまいこと彼の性質を和らげてうまくいって素晴らしい作品になったと言うのが僕の感想で、だからこそ
スカイクロラに興味を持ちつつ不安しかなかったのだけど、蓋をあけたら素晴らしい作品。
Interviewでは、カメラに映らないキャラにも喋らせれば無駄なカットは減り展開に色もつけられる、とコロンブスの卵的な発言も面白かった。
好きな音楽を契機に動画編集する趣味の僕には以下が実に納得したし笑ってしまった。
大味も何も、実を言うとね、最近ストップウォッチを押すのが嫌になってるんだよ。「大体3秒」とか「大体8秒」とかね。一応押すんだけど、1回しかやらない。(中略)だって、どうせ変わるんだもの(笑)
監督と演出がわかれてる理由にも触れていて、観覧だけでなく実践しないとわからない点にも触れていて良かった。
白身の多い絵コンテなのは、昔は書きこみまくってたのにスタッフは結局それを読まない、調べない。だから書いても無駄になるので段段と減っていたそうで、これは
スクエニは宮崎駿に弟子入りすべき。でも思った点で
「感じず考えず描く」世代的な問題にも重なるな、と現在評価されてる監督達の憂いにも同意した。
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