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POVの普遍的な可能性と魅力を示した【クローバーフィールド/HAKAISHA】
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ミスト
のDVD宣伝部分で知った作品。
ブレア・ウィッチ・プロジェクト
と同様の
POV
で撮影、演出された作品。
ブレア・ウィッチ・プロジェクト
は低予算だったのでそれを逆手にとって易いカメラで撮影したが故の臨場感がありましたが、今作は予算と手間をしっかりかけて、きちんとプロのカメラとカメラマン、そして映像処理もしっかりと行われているので、POV作品としての癖は程よく抜けて観やすかった。
ネタバレという程に深刻ではないけど、この作品は予備知識があると楽しみが半減すると思う。
POV
の特徴として、観客の擬似体験が売りなのだけど、予備知識があると、安全な観客として観てしまうために映像演出の面白さに対して落ち着かない描写が連続してる印象を受けるかもしれないからだ。
以下
ネタバレ
あり
>>
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&tabそれにしても演出は抜群。全編を通して
POV
なので90分の長編としては正直かったるいところもあったけど、こういう風にすれば怖いのか、と。
ホラー映画では局所で
POV
を用いて作品世界の絶望感や襲われる恐怖の擬似体験をよく演出するが、本作を観ながら
ワンダと巨像
の映画は本作の演出を一部だけ用いれば
巨像
の生々しい迫力が出て面白そうだな、と思った。
■一本道の進行
ブレア・ウィッチ・プロジェクト
と同じく本作も
1つのカメラで撮影された映像
という設定で進行するが、これ複数のカメラ、つまりA班B班C班とある程度の同じ時間内でそれぞれに動く人物達、死んじゃうA、助かるB、核心を知るCみたいに並行させればもっと面白かったんじゃなかろうか。ずっと同じ人物達が同じカメラで進行していくので、擬似体験の割には安心感があってそこが少し不満だった。
■ヒロイン(?)オデット・ユーストマン
冒頭の映像で少し、本編は余り出番が無いままに役柄的に恐らくはヒロインと言っても良い
オデット・ユーストマン
(
Odette Yustman
)が良かった。
作品のリアルさを出すため、俳優のほとんどが無名の新人及び子役出身の若手俳優
だそうで、出演者は全く知らない人ばかりでしたが、
オデット・ユーストマン
(
Odette Yustman
)が普通の女性らしく目立ったわけでもなく、それでいて映ってるだけでニヤニヤしちゃう愛らしさがあって良かった。
■POVの弱点
登場人物の体験がそのまま見られ、そしてそれが観客の体験ともなる
POV
。だからこそ、何ていうか、落ちに限界があるかな、思いました。
POV
で作品の結末を見せるには、撮影者である人物の結果を見せなければならなくて、この結末の幅が
POV
だとこうせざるを得ないのがわかるだけに、「ああやっぱりか」と。
ただ、見終わった後にwebで関連情報を観ていたら、僕は
最後のあれ
に気付いていない事を知りました。御蔭で最後の最後だけを見直して「おお!!」
テープを重ね撮りしてる
という設定で人物の関係や時系列の説明、映像としてのメリハリをつけて
POV
なりの飽きさせない編集が冴えてましたが、なるほど。
■本作において唯一知ってたほうが楽しめる予備知識エンディング曲
本作は
POV
であくまでドキュメントという設定なので、作品内におけるBGMは一切無い。効果音や舞台で流れる自然音(店内のBGM)はあるが音楽というほどのものは無い。エンドロールだけBGMが流れるのだけど、本作は日本のゴジラに触発されたそうなのだが狙ってるのがわかってるだけに曲がもう…。正直浮いてると思ったw
■総評
POV
作品として非常によくまとまっていて、VFXをうまく絡めて映像も見やすく制作者が狙う面白さがそのまま観客に伝わる作品じゃないかと。僕個人は折角プロのカメラとカメラマンで撮影しているんだし、わざとらしく揺らしたり角度をつけず、もう少し落ち着いた画があっても作品の違和感が無いままに観られたんじゃないかと思います。結末は全編
POV
だからしょうがないかな、という感じ。もしもこういう結末以外の作品や演出が出来る作品が現れたら、
POV
も際立ったイロモノじゃなくもっと浸透した手法と作品として1段上を行くんじゃないでしょうか。
POV
の可能性を見た、そんな作品。
おまけ
【ニコニコ動画】映画「クローバーフィールド」削除シーンよりHENTAIを見る時の注意
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関連リンク
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クローバーフィールド/HAKAISHA - Wikipedia
◆
超映画批評『クローバーフィールド HAKAISHA』60点(100点満点中)
◆
クローバーフィールド/HAKAISHAのファンサイト
Tags :
映画
DVD
クローバーフィールド/HAKAISHA
CLOVERFIELD
POV
未分類
[ 2009/05/04 00:24 ]
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