■『青い花』は「女のコを好きになる女のコ」をあくまで“異質”と描く - (やまなしなひび-Diary SIDE-)
僕はよく言うんですけど、同姓愛モノは
BLにせよ
百合にせよノンケが居る世界の作品が面白い。
たとえ差別的な意味など無くても、同性愛は恋愛において少数派で、多数派である異性愛すら数ある問題に加えて更に少数派である同性愛が抱える問題が描かれてこそ物語だと言えるんじゃないかと思うわけです。
青い花に限れば自分が同性愛者だと告白する
気持ち悪いなんて思わないで。
が名台詞として、同性愛と思春期の両方を内包する作品を象徴しています。
■全面じゃなく世界の側面である同性愛
僕は
BLだと
bassoの作品くらいしかまともに読んだ事が無いので余り語れませんし
百合も性的娯楽としてはそれほどでもありませんが、僕が読んだ作品で同性愛(
百合)が主題と言うほど全面ではなく、それでいてちゃんと描かれてる、素晴らしい作品だと思ったのは
松沢まり【
さんぶんのいち。】です。
男女1:2の
三角関係を描いた本作ですが、両手に花でなはく、
男→女A(同性愛者)→女B(異性愛者)→???とそれぞれに追いかける
萌え系な作品でありながら恋愛の切なさもちゃっかり描かれています。
そこに、
女A(同性愛者)こと
小野寺葵が親友という恋愛から除外された情を相手に抱かれ煩悶します。
そして、
小野寺葵が同性愛者だと知りながら恋心を抱く男。
メインヒロインではないからこその
報われない属性も併せ持ちたまりません。
もう1冊は既に藝歴も長く泣く子も黙る
谷川史子の短編【
くらしのいずみ】です。
これまた
男女1:2の
三角関係で、1組の男女と女(同性愛者)です。結婚するのが決まった2人ですが、男が彼女と自分よりも付き合いの長い彼女の親友(女性)にやたらと嫌われて厭な顔ばかり見せられ、どうしてか疑問を抱いていました。ある日3人で遊んでいた時に男が席を外し、そして程なく戻ってきたところ、眠りこけてる彼女にキスをしようと顔を寄せる親友の姿を見たのです。男に気付いた親友の女性はすぐさま詰め寄り
「彼女には言わないで」と懇願するのです。
■報われない恋心
異性愛、同性愛を問わず、恋愛はそもそも報われない事もあります。
同性愛そのものは何ら特別な事ではありませんし、好きになるのは自由です。
それでも、好意だけでは成り立たぬ
恋愛の、しかも少数派である同性愛。
だからこそ描ける要素もあるでしょう、故に幻想だけじゃなく、少しあるいは凄く苦い現実的な要素
異性愛を踏まえて垣間見える
百合(同性愛)の世界、作品のほうが素敵だと思うのです。
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