ついに完結、52歳と35歳の卑屈な純愛ラヴコメ
娚の一生。
表紙がどことなくエロいけど、作中2人がくっつく描写も彼女の足に愛撫するコマだったな。足フェチなのか西炯子は。
同じフラワーコミックスの
蝶よ花よ(吉原由起)でも足愛撫が象徴的だったけど、最近の女性にとってキスやセックスよりも素敵な刺戟なのだろうか足愛撫。
俺は踏まれるのもなめるのも大好きなので嬉しい限り←
それにしてもほんとめんどい女性よねヒロインの
つぐみは。
親戚に対して礼を尽くして冷静な外面を見せたら情熱に欠ける、2人きりで迫ったらそこから外れる言い訳を述べる。
……私はそういう女なの。
いい年をして自分にいつまでも自信がなくて、自分だけを見てくれる人と向かい合う勇気がないのよ。
そのくせ人には愛されたいの。
西炯子の作品は女性の共感なんぞ知るか、と突き放すほどの別嬪がヒロイン。
僕の好きな【
亀の鳴く声】や【
電波の男よ】など、男前と美女なのにとっても卑屈。
おまいは
狩野ハスミと言いたくなるくらいに卑屈。
おそらくそこが男女ともに引き込む要因なのだと思う。
だから淡々と過ごす人が出てくると凄く大人に見える。惚れるw
つぐみに比べると
海江田の葛藤が薄い気もするが、そこはあくまで女のための男だから当然か。
卑屈な2人の恋愛の反動か、仕事の問題などはあまりにうまくいきすぎてちょっとゲンナリ。
特に地震という自然災害がただ
つぐみの幸福を招く記号なのにはがっかりした。
それにしても主役2人の年齢や関係は少女漫画でなく女性向けと言う感じ。
能力や境遇さえ外してしまえば、
曖昧なまま確信が欲しい、男にとって面倒で腹立たしい如何にも女がいるだけ。
「……待ってたのよ」
「そんな1日…2日やろ、長いことないがな」
「長かったのよ、35年は」
そして苛々しながら綺麗だの素敵だの思ってしまうのだから、始末に負えん。
ちなみに本作の表紙は地続きになってる。裏表紙も象徴的な2人の姿が描かれていて可愛らしく、全体的にシンプルかつ綺麗で格好いい装丁。
巻末におまけ4コマが描いてあるのだけど、これがまた面白い。
特に2巻の
つぐみには本編以上にニヤニヤしてしまった。
ウソばっかりつく男に苦しんできた女、つぐみ。
基本ウソをつかない人、海江田。
「大人なんだし場合によってはウソもついてください」
「…かわい気ないな君。君は優秀やが女としての魅力にやや欠けておる。親戚の手前ほめといたけど正直そんなきれいとは最初思わへんかったわ。まあ10人並みかなとぐらいにしか」
「……」
「…君がウソをつけと言うたんやないか。ゴメンて、泣きなや」
まあなんだ、どうしていつも肝心な事を言わずに無駄にしてから騒ぎだすのか無能なんだよ女は、とか思いつつ結局は反応して女に惚れてしまう男性諸君、そして反面教師ながらそれに酔う女性諸君、好いた惚れたと面倒を抱えられる幸せを垣間みたければ是非本書を、ってな感じ。
関連記事
関連リンク
Tags : 娚の一生 西炯子